2009年9月10日号
第2回日蓮宗スカウトキャンボリー
ひろめよう!いのちに合掌
ボーイスカウト運動に共感して支援・実践する宗内の集まり“日蓮宗スカウト連絡協議会(石井隆康会長)”は、日蓮宗宗務院と共催で「第2回日蓮宗スカウトキャンポリー」を8月20日から23日まで山梨県山中野営場で開催した。今回のテーマは「ひろめよう! いのちに合掌」。スカウト連絡協議会関係団、宗門関係者など個人参加を含めてのべ12個団、315人が参加した。
ボーイスカウトはイギリスの退役軍人、ベーデン・パウエル卿が健全な青少年の育成と教育を目的として創設した運動で、その特色は「明確な信仰をもつこと」にある。宗教宗派の別を問わず信仰心を重視しているので、青少年教化にきわめて有効な手段といえる。
開会式ではスカウトサイン(誓いの言葉)の後、石井会長が「皆さんにとってかけがえのない、いい思い出となるよう素晴らしい大会にしたい」と挨拶。次に川名義顕宗務院伝道局長が挨拶の中で日蓮宗のスローガン「いのちに合掌」について説明し、「私たちはいろいろな動物・植物のいのちをいただいて生きています。手を合わせて“いただきます”というのはいのちに感謝するということです」と述べた。
その後、「歓迎の営火(キャンプファイアー)」が行われた。歌を歌い、各団特色のある自己紹介をして交流を深めた。子どもたちは、同様の活動をしている「仲間」との出会いに緊張がほぐれたようだった。
2日目。全体朝礼の後、バスに分乗して総本山身延山久遠寺(内野日総法主)へ。吉村明悦久遠寺布教部長を導師に、身延山総登詣法要が行われた。子どもたちは正座の痛みに耐えながらも、大きな声でお経とお題目を唱えていた。
式中、川名局長が日蓮聖人のご生涯を語り、身延山に登詣する意義を説いた。そして吉村布教部長がスカウト代表者に「身延山登詣之証」を授与し、法話で「みなさん一人ひとりに両親がいます。その両親にも両親がいて、十代さかのぼれば1024人、二十代前には100万人を超す父母がいることがわかります。その中の一人でも欠けていたら自分は生まれてこないのです。だからこそいのちが尊いのです」と語った。
祖師堂で流れ開帳の後、山中野営場に戻り、夜は部門別に交流プログラムが行われた。
3日目。午前中は「山中の森フィールドポイントラリー」が行われ、各団が登り棒や綱渡りなどの競技で得点を競った。午後からは全体での「尾っぽ取りゲーム」。これは、尻尾にみたてた紙テープを取られないように、会場内にいくつか設けられた陣地を争奪するゲーム。子どもたちは2チームに分かれて大はしゃぎで走りまわった。同じ目標に向かって、団を超えた一体感が芽生えていた。
友情パーティーでは各団から持ち寄った料理を囲んだ。富士宮焼きそばや熱々のおでん、揚げたてのチュロスなどに舌鼓を打ちながら、ポイントラリーと尾っぽ取りゲームの表彰式が行われた。そして「名残の営火」。新しい仲間との楽しかった思い出をいとおしむように、ゆっくりと時が流れた。
最終日の閉会式では「日蓮宗スカウト宣言」が発表され、各スカウトの代表者が「わたしたちは今回の日蓮宗スカウトキャンポリーに参加して仏と国に誠をつくし、自然の大きさや命の大切さを学びました。これは、日頃からお父さんやお母さん、ご先祖さまに感謝の心をもつことだと思います。これからも日蓮さまの大きな恵みで生かされていることを心から喜び、社会のために生きていくことをお誓いします」と読み上げた。