2007年1月20日号
身延山久遠寺で「御年頭会」
「立正安国の精神が宿る身延山は、お題目の道場」
平成19年の年が明け、日蓮宗総本山・身延山久遠寺(内野日総法主)では新春の行事である“御年頭会”が営まれ、全国から約450人の僧侶・檀信徒が参拝に訪れた。
お年頭会は、身延山に住まわれる日蓮聖人に、六老僧をはじめとする弟子や、開基檀越の波木井実長公が新年の挨拶のに訪れたことに由来する。
また、実長公から先祖への回向と新年の無事安泰を祈願を依頼された日蓮聖人は馬で波井井邸へと向かわれた逸話が伝えられている。
日蓮聖人がご入滅されてからは、その年の初めての月命日に当たる1月13日に法要が営まれ、身延山の年中行事を記した11世行学院日朝上人の「身延山年中行事」、24世顕是院日要上人「御堂年中行事」には、「正月十三日次両頭人献馬」と示されてあり、久遠寺では代々お年頭会が奉行されてきた。
寒さも本番を迎え、梅の花も咲き始めた新春にふさわしい祖山の祖師堂で、内野法主を導師にお年頭会の法要が行われた。法要では、石川浩徳布教部長が、お年頭会のいわれ「御年頭縁起」を奉読し、参拝者とともにお祖師さまに新年のお題目を唱えた。続いて熊王丸が轡をとったといわれる“曳馬式”が祖師堂前で行われ、威儀を正した駿馬に参拝者がカメラを向けるなか、内野法主は歩み寄り頭をなでられた。
法要後、大講堂にて行われた新年祝賀宴では、小松浄慎宗務総長が「身延山に総登詣していただき、お題目の種をおろして菩薩のみ心を祖山で養ってほしい」と語った。
内野法主が御杯の儀を行い、お屠蘇を振る舞った。続いて「立正安国の精神が宿るこの身延山は、お題目の道場です。また、五重塔は、立正安国・世界平和のシンボルとして建設しております。多くの皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げ、本年の皆さまのご多幸をお祈り致します」と挨拶した。
熊王丸の子孫で第三十五代当主・熊王章夫氏が日蓮聖人にお膳を奉納し、信徒総代・秋山章氏が新年の慶びを述べた。また、東京都本山堀之内妙法寺の檀徒で参議院議員・武見敬三氏も新年の挨拶をした。鏡開きの後、なごやかに宴が進んだ。
