2004年11月1日号
秋雨にけむるお会式
10月13日は日蓮聖人がご入滅された聖日。この季節、全国各地の日蓮宗寺院で第723回目の日蓮聖人報恩のお会式が行われるが、「聖人ご入滅の霊地」である東京大田区の大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)では、今年も11日から13日までお会式に関連した諸行事が行われ、約20万人の人出で賑わった。
百数十講中 万灯練供養 雨の中20万人の人出
【11日】午前11時から酒井貫首を導師に歴代先師聖人並びに池上法類・池上護山会先師報恩法要が営まれた。この一年間に遷化された方々の名前が読み上げられ、参列者は供養の報恩を捧げた。
午後2時からは納経十種供養式法要。法要に先立ち、境内を練り供養すると、訪れた人々は雅楽の音色に耳を傾け、通り過ぎる僧侶に合掌していた。本門寺写経会の信徒が九種の供物(華、瓔珞、抹香、塗香、焼香、幡蓋、衣服、伎楽)と、合掌一種をご宝前に奉呈。休日ということもあって、多くの人が法要の様子を見守っていた。
【12日】午前10時から酒井貫首を導師に行われた宗祖御更衣法要では、東京都町田市などから毎年訪れる伝統の武相御召講が御召服を献上し、堂内に読経が響く中、本門寺僧侶二人の手により、大堂にご奉安される日蓮聖人像の御衣が夏物から冬物にあらためられた。
午後2時からの宗祖報恩御逮夜法要には全国から集まった大勢の参詣者で大堂が埋め尽くされ、午後6時にはいよいよ万灯行列がスタート。秋雨の降りしきる中、池上徳持会舘から本門寺までの約2kmにわたって百数十講中もの万灯練り行列が池上の町を練り歩き、沿道で見物する参拝客も深夜にいたるまで引きも切らず、山内は興奮に包まれていた。
【13日】午前8時から、日蓮聖人のご入滅時に弟子の日昭上人が鐘を打ち鳴らしたという言い伝えにちなんだ臨滅度時法要が行われた。大堂内は前日から参籠をしている参拝者に加え、雨模様にもかかわらず一般参列者で埋め尽くされ、酒井貫首が厳粛に打ち鳴らす鐘の音が響き渡る中、低頭して合掌し往時を偲んだ。