日蓮宗新聞

2003年10月10日号

本山孝勝寺に五重塔建立

――五重ぎ然とそびえしさま、金剛力士が魔軍をにらんで、十六丈の姿を現じ坤軸ゆるがす足ぶみして巖上に突立ちたるごとく――(『五重塔』より)。文豪・幸田露伴の代表作のタイトルにもなった日本を代表する仏教建築物・五重塔が、日本最北の日蓮宗由緒寺院にお目見えした。
宮城県仙台市の孝勝寺(立花日照貫首)で9月27日、平成13年から建立が進められていた五重塔が昨年暮れに完成したことを受け、藤井日光身延山久遠寺法主猊下を大導師に天童音楽大法要が盛大に行われた。この日、孝勝寺の境内を埋め尽くした僧侶檀信徒約500人は、立花貫首と共に平成の純木造五重塔が完成した喜びを分かち合った。
午後1時、稚児20人が立花貫首と孝勝寺境内を練り歩く中、荒木是温師(仙台市大河原教会担任)を修法導師に力強い開眼修法。天童祭文は、元木聖泰君が祭壇を前に元気よく読み上げた。
藤井法主猊下は慶讃文の中で、永仁3年(1295)に創立された孝勝寺が、仙台藩主・伊達政宗公以来、代々の外護を受けて継承されてきた700年余の歴史を振り返られると共に、日蓮宗加行所の副伝師等を務めた立花貫首が、その人徳も相まって檀信徒の協力を得、この日を迎えたことを奉告された。
藤井法主猊下による御経頂戴に続き、岩間湛正宗務総長、文化財建造物保存技術協会参与の持田武夫氏が祝辞を述べた。
また藤井法主猊下、岩間総長、畠山海進宗務所長から、五重塔建立委員長の菊地正弘氏をはじめ、設計・施工関係者らに表彰状、感謝状が授与され、立花貫首からは檀信徒34人に感謝状が贈られることが報告された。
最後に立花貫首が念願の五重塔を背にし、感激もひとしおに謝辞を述べ、法要後は、市内ホテルで盛大な祝賀会が行われた。
立花貫首は平成9年、孝勝寺に入山。以来、“信仰の拠り所”としての五重塔を建てることを願い続けた。平成12年7月にようやく建設委員会を発足、翌年3月に地鎮式、昨年の5月には上棟式を迎え、12月に工事を終了させた。
五重塔の高さは礎石を含め31.9メートル、五層の上部にそびえる相隣は8.5メートル。東北の地には東北の木材をとの意向から、木材は水に強く耐久性のある青森ヒバを使用した。
初層には木像の日蓮聖人像と御曼茶羅が祀られ、天井には清澄寺の御霊木が用いられた。四層目には本堂に安置されている仏舎利の半分を、五層目には立花貫首が書写した法華経八巻が納められた。
また相輪上部には、夢枕に現れて立花貫首に建立を決意させたという昇り龍も。
監修にあたったのは佐藤巧東北大学名誉教授、設計・管理は鹿野設計事務所、施工は株式会社モトタテ・橋本の両企業体。

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