日蓮宗新聞

2006年11月10日号

日蓮宗加行所入行会

日蓮宗に伝わる祈祷法相伝をのため、僧侶の自由、自我、命のすべてを預け苦修錬行に挑む日蓮宗加行所(大荒行)が11月1日、千葉県市川市の大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)大荒行堂で始まった。入行した182師は来年2月10日まで、1日3時間弱の睡眠と2回の質素な食事で、訓育にあたる伝師や先輩僧侶の指導を受け、一日7回の水行と読経三昧の日々を送る。
1日に行われた入行会には全国から多くの寺族・檀信徒が訪れ、厳しい修行に入る入行僧を見送った。
午前9時、集合を合図する鐘の音で、入行僧は寺族や檀信徒と別れ、吸い込まれるように常修殿に入堂した。9時半、入行僧が祖師堂に整列。世間とのつながりを断ち修行に身を投じる入行僧の決意と覚悟が堂内を包み、全身からほとばしる読経の大音声が、澄み渡った秋晴れに響きわたった。

読経の後、各行の代表と全堂木鉦師に委嘱状が渡され、小松浄慎宗務総長は「伝道教団と呼ばれる日蓮宗の中で、最重要である布教の一翼を担う修法は、我が宗門に大きな力を発揮して参りました。日蓮宗修法師の養成とすでに修法師である教師の資質の向上をめざす結界は、宗門におきましても大きな任務であると認識しております」と述べ、伝主の新井日湛法華経寺貫首は「100日間、行堂清規に基づいて健康に気をつけてがんばってください」と入行僧を激励した。
加行所を総括する佐野前暁正伝師(福岡県日蓮聖人銅像護持教会主管)が「“信は秘宝なり”という言葉がございます。その秘宝を使うのが我々行僧一同であり、それには大きな大きな戒律“行堂清規”がございます。行堂清規に則りその中において、み仏からお応えを頂くのがこの行の目的です。本日ただ今より、社会的地位、名誉すべてを私がお預かり致します」と入行僧に向かって力強く述べ、全堂代表の嶋田教要師(東京都宗延寺住職)が「行道清規を遵守し不自惜身命の決意をもって本日より壱百日苦修錬行に精進することを加行僧一同とともにここに誓います」と宣誓した。
入行会の後、入行僧はお題目を唱えながら法華経寺開基・富木日常上人御廟、奥の院を参拝し、午後2時過ぎ、荒行に入る「瑞門」をくぐった。参道には見送りの檀信徒が人垣を作り、「お上人、いってらっしゃい!」「がんばって!」と姿が見えなくなるまで声を上げていた。
今年初めて入行する静岡市龍華寺の小倉規敬師を見送るため、午前零時に静岡をバスで出発したという檀信徒22人は、「素晴らしい行に入る若上人の門出を迎え、感慨深い気持ちです。行を重ねたお坊さんのお顔は何とも言えず神々しく、笑顔にも深みを感じます」と語っていた。
自己の心身を責め、鍛え、耐え抜くーー。世界三大荒行の一つとも言われる厳しい行が始まった。

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2006年11月1日号

日蓮宗、第3回ラオススタディツアー

緑の大地と赤土の道路、燦々と太陽が降り注ぐ青い空の下、宗門の将来を担う若者たちが小学校建設に汗を流し、村人との交流を行った。ゆったりと時が流れ、助け合いの精神が残るラオス。子どもたちの笑顔が溢れるおおらかな大地の中、建設作業に励んだ若者はそれぞれに新しい何かを掴み、国際協力の一端に触れる体験をした。
 日蓮宗では国際協力活動・海外布教活動への意識を高めるため、法華経の菩薩行実践を通し、将来国際協力活動に携わっていくリーダーの育成を目的とした第3回ラオススタディーツアーを9月6日から15日まで開催。13年間ラオスで学校建設などの活動を行っているNGO・BAC仏教救援センターの伊藤佳通理事長(静岡県感応寺副住職)を団長に18歳から30歳までの若者12人が参加し、サイアブリ県ケンタオ郡のナーヒン村に日蓮宗では33校目(BACでは114校目)となる小学校を建設した。参加者は6日間の学校建設を通し、地元の職人の作業を手伝い汗を流すとともに、現地の人々・子どもたちと触れ合い、心の交流を深めた。

日蓮宗国際開教対策委員会(石井英雄委員長=東京都長照寺住職)では、海外開教および国際交流の振興をはかり時代に適応する活動の対策・検討を行っているが、その中で国際協力プロジェクトを立ち上げ、宗門への啓発と後継者の育成を目的に社会に根ざした協力活動を行うため現地でのスタディツアーを検討。仏教国であるラオスでの学校建設活動を行っていたBACに協力を仰ぎ、国際協力の一端として3年前からラオススタディーツアーを開催。現在、委員会では海外布教や国際交流・国際協力活動にかかわる諸団体との連携を円滑に行うため、日蓮宗インターナショナルネットワーク(NIN)創設に向けて活動をし、宗門内であらゆる国際的活動を組織的に行っていくために尽力している。
しかし宗門の中でも国際協力に対する理解が薄く、布教とのつながりが見えないという意見もあるが、仏教が、日蓮宗が“何かしてくれた”という思いが現地に根づくことで、国際協力は仏教布教の入口、布教の種まきと言える。
今回ラオスでの経験を機に、参加者には国際協力に対する関心の高まりや、直接の布教活動でなくても、地道な作業が今後へとつながることを感じとった様子が見てとられ、国際的視野を持った宗門人を育成する第一歩として実りを得た。

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全日青、海外布教活動へ

 全国日蓮宗青年会(河崎俊宏会長)は9月7日から14日までの8日間、海外布教活動の一環としてドイツを訪問した。
青年僧22人は、はじめにヴィッパーフュート市大聖恩寺(竹内日祥理事長)を訪れて諸宗教対話を唱える竹内理事長の話を聞き、翌日、仏教とキリスト教による「未来社会のための宗教対話」に参加。仏教側代表として出席した竹内理事長の講演と対話を聞き、互いに宗教文化の理解を深めようと日蓮宗の声明を披露した。
また、メシェーデ市にある修道院に1泊し、修道士の生活を体験。共同作業や対話交流を通して、対話が双方の理解を深め、日蓮聖人の説く「世界平和の実現」につながることを学んだ。

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