日蓮宗新聞

2005年2月10日号

「福は内!」各地で節分会

「福はぁ~うち!福はぁ~うち!」
前代未聞の天災地変に見舞われた2004年の運気を払おうと、2月3日、日蓮宗総本山身延山久遠寺(山梨県南巨摩郡身延町・藤井日光法主)では、午後1時から追儺法要が営まれ、大本堂は約1500人の参拝者で埋めつくされた。
法要後、境内特設ステージで盛大な豆まきが行われ、藤井法主猊下もお出ましに。
法主猊下をはじめ、ゲストの魁皇関・三原じゅん子さん・浅香唯さん、200人以上の歳男・歳女がまく福豆に、集まった5000人以上の参拝者は喜んで手を伸ばしていた。
◇   ◇
 東京大田区・池上本門寺(酒井日慈貫首)は約1万人の人出で賑わった。午後2時、大堂で酒井貫首を導師に追儺式法要が営まれ、裃姿の歳男歳女と、プロレスラーの天龍源一郎さん、タレントの松本伊代さん、鼓奏者の大倉正之助さんら約130人が法楽加持を受けた。続いて、大堂前に特設された大桟敷からの豆まき。ゲストや歳男歳女らが、天高く豆をまくと、晴天のもと境内は福豆を求める参詣者の歓声に包まれた。
たくさんの福豆を手にした村上達生さん(72)夫妻は、「昨年は災の年でしたが、今年は“福”の年になるといいですね」と語った。
プロレスラーの北斗晶さんは、夫で同じくプロレスラーの佐々木健介さんとともに追儺式法要と豆まきに参加。「まずは家内安全をお祈りしました。仕事は食べていける分だけできれば」と笑顔で話していた。

【節分】古来立春を正月としていたことから節分を年越といい、柊を戸口に挿すなど厄払いの行事を行っていた。
豆打ちが始まったのは室町時代。鬼の目はじき、鬼の目刺しなどとともに邪鬼を払う手段だった。
日蓮宗では「人の心は仏にも鬼にもなる。その心の悪を善に転換させることこそ、みほとけの教えに適う」という日蓮聖人のみ教えから、また、鬼子母神をお祀りしていることから「福は内」と唱える。

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2005年2月1日号

阪神大震災 市民追悼式と交流会

阪神淡路大震災市民追悼式と交流会が1月17日、兵庫県神戸市内で行われた。10年という節目の時期、参加した市民・被災者約350人は、尊い犠牲を無駄にせず生活再建に向かって努力を続ける決意を新たにした。

この追悼式は、行政が追悼式を中止した平成13年から、“犠牲者を追悼するとともに生きることの大切さを発信しよう”と、NPO法人ボランティアネットワークEarth(石原顕正理事長=山梨県立本寺住職)が市民団体とともに実行委員会を組織し手作りで開かれてきたもので、今年で5回目。毎年追悼式後、被災者の交流会が催されており、今年は、作家の藤本義一氏と石原理事長がそれぞれ講演した。
式に先立ち、早朝追悼式が中央区諏訪山公園で行われ、地震発生の時刻を迎えると、静寂の中に読経と木鉦の音が響き、参列者が献花を行った。
追悼式は兵庫県私学会館で行われ、遺族を代表して岡田和美さんが言葉を述べ、実行委員会代表の安田秋成さんが追悼の辞、神戸区在住の琵琶演奏家・川村旭芳さんが追悼の詩を朗読した。引き続き、石原理事長を導師に音楽法要が営まれ、声明と琵琶の幻想的な調べが会場に満ちる中、参加者は10年の歳月に思いを馳せた。
交流会で石原理事長は、「大震災10年、市民追悼式5年を振り返って」と題して講演した。10年前、飛び込んだ被災地の現実は何もかも悲しく、石原理事長が感じたのは、やり場のない怒りとなすすべのない虚しさだけ。当時、遺族や生き残った被災者の悲惨さは言葉として語られることはなく、自ら生きることや生き続けることよりも、失ったものがいかに大きかったかを改めて感じたという。
仮設に移ってからも助かった命を自ら絶つ人、寒さに持病が悪化して亡くなる人、栄養失調で一人寂しく息を引き取る人を目の当たりにし、「生きること」の意味を問う毎日の中、石原理事長に活動する機会を与えてくれたのは、ポートアイランド仮設住宅自治会長、安田秋成氏との出会いだった。“こんなこっちゃあかん。仮設は生きるとこや。みんな一緒に仮設を出ような”。安田氏はみんなを励ましながら、集会所に祭壇を設け、物故者の氏名とその人数分のご飯を盛りロウソクを灯していた。最初の3年間は仮設でささやかな慰霊祭を営み、昼食はみんなで震災直後を思い暖かなごはんと味噌汁を味わったという。石原理事長は、追悼を通して被災者との信頼関係を築き、心の交流ができはじめたことを実感した。
行政が追悼式を取りやめた平成12年、“その灯火がたとえ小さくても続けて行きたい”という安田実行委員会代表の言葉にうなずく多くの被災者と共にアースも追悼式実行委員会に参加。会場探し、資金作りのための街頭募金、当日の運営をはじめ、音楽法要の準備など、多くの厚意に支えられ今日に至ったとし、石原理事長は最後に「私たちが今日まで神戸に通うことができたのは、神戸の皆様方が暖かく迎えてくれたお陰です。心から感謝申し上げます」と結んだ。アースは、今後も神戸での活動を続ける。

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阪神大震災から10年

平成7年1月17日午前5時46分――。多くの尊い命を奪った阪神淡路大震災から今年で10年を迎えた。街並みは整備され、見た目には順調な復旧を遂げているものの、復興住宅では未だ孤独死・自殺が絶えず、恐怖と悲しみを心に封じた被災者の生活再建はまだ遠い。1月17日、神戸市内で開かれた市民追悼式で導師を務めたNPO法人ボランティアネットワークEarthの石原顕正理事長(山梨県立本寺住職)は法要後、10年にわたる支援活動を振り返った。

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