日蓮宗新聞

2005年3月1日号

第七八四回宗祖御降誕会 大本山誕生寺

日蓮聖人がお生まれになった2月16日、ご降誕を祝う行事が各地で催された。聖人ご降誕の地、千葉県鴨川市小湊の大本山誕生寺(石川日貫首)で営まれた第784回宗祖御降誕会には、全国から約五百人が参列。庭先に泉が湧き浜辺には白い蓮の花が咲き乱れ、深海の鯛が岸辺に群れ寄ったという誕生当時に参列者は思いを馳せ、その当地で御降誕会に参列する喜びをかみしめた。
現在誕生寺では、平成33年に迎える日蓮大聖人御降誕800年に向けて「布教殿堂」の建設を計画しており、石川貫首は「この末法の世、一人一人の心に正しい教えを植え付けていかなければ。日本を甦らせるお力添えをお願いして、この御降誕会を出発の第一歩にしてください」と語った。

御降誕800年へ「布教殿堂」建設

第784回宗祖御降誕会は午後1時から石川貫首を導師に営まれた。読経、石川貫首の慶讃文奉読に続き、副導師を務めた立花日照仙台市本山孝勝寺貫首、片桐有而鴨川市日澄寺住職をはじめ、岩間湛正宗務総長名代の渡辺照敏宗務院財務部長、遠藤了義千葉南部宗務所長ら来賓がご宝前で焼香を行った。
法要中、渡辺財務部長は、立教開宗750年後の宗門運動について「平成21年に立正安国論奏進750年、平成33年には宗祖御降誕800年を迎えます。宗門ではそこに目線を据え各関係機関において熱心に検討をしているところであり、いずれ布教伝道の新たなる歩みが始まることと存じております」と挨拶した。
石川貫首は「布教殿堂」の建設について「建物を建てるという意味だけでなく、深い意味があるのです。700年の昔、今のこの世の中と同じように荒んだ時代に日蓮聖人は出られました。正しい教えを立て、その教えによってこの世の中を安らぎに導こうとしたのが『立正安国論』です。平成21年、立正安国論奏進750年を迎えます。立正とは正しい教え、法華経の教え、その教えをみんなに植え付けよう、その結果生まれるのが安国、安らかになりますよということです。今こそ声を大にして、日蓮聖人が訴えられた正しい教えを植えなければならない」と語った。
石川貫首は“正しい教えを説いていこう”と、誕生寺に晋山した翌年の平成10年から晨朝法話を開始、朝勤後毎朝欠かさず山内の僧侶が交代で法話を行っている。その晨朝法話を通して「堂を打ち立てお題目を弘めよう」との声が高まり「布教殿堂」の建設が決まった経緯を話し、「日本の国を甦らせるお力添えをお願いしてこの御降誕会を出発の第一歩にしてください」と結んだ。
終了後、千葉南部和讃会19ヵ寺140人の寺庭婦人と女性檀信徒がご宝前に和讃を奉詠、また、千葉南部修法師会が参列者に特別祈祷を行った。
誕生寺では「布教殿堂」の建設に向け、3月から工事に着工する。

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春成満 「修法布教へ精進」誓う

自己の修行と加持祈祷の伝授を受けるため、極寒の一百日間、苦修錬行を積む日蓮宗加行所で2月10日、加行僧193師が成満を迎えた。千葉県市川市の大本山法華経寺(新井日湛貫首)には未明から家族や檀信徒が出迎えのために訪れ、近年まれに見る賑わいに。境内には僧侶の名前が染め抜かれた色とりどりの成満旗が並び、加行僧の成満に花を添えた。

苦修錬行の一百日 193師が成満

冷たい雨の止んだ午前6時、青年僧の太鼓が響く中、百日ぶりに瑞門が開門。頭髪や髭が伸び、すり切れた清浄衣姿の僧侶が姿を現すと、一斉に歓声が上がった。「お帰りなさい」「お疲れさま」と声をかける人々や、涙を流しながら合掌し、ひたすら行僧を見つめる姿も見られた。
午前8時、祖師堂で新井日湛伝主を導師に成満会が営まれ、加行僧の力強い読経と出行を待ちわびた檀信徒の熱い思いが堂内に満ちた。
法要中、新井伝主から許証が、村山智城伝師(神奈川県親徳教会担任)から感賞状、岩間湛正宗務総長から修法師辞令と修法師範允許、伝師相承允許、沖縄修法布教団辞令が授与された。
 岩間総長が「今日から修法師の第一歩を踏み出す人もいらっしゃいます。宗門では今年から新たな運動を展開していく予定です。ここで体験したことを活かし、宗門運動発展のために力を発揮してください」と挨拶。続いて新井伝主、村山伝師らが祝辞を述べ、加行僧にお祝いと労いの言葉をかけた。
全堂代表の飛鳥亘央師が謝辞を述べ、「一心欲見仏、不自惜身命の精神のもと一百日の結界修行に励んできました。多大な恩恵を頂いた方々への恩に報いるためにも、日蓮宗の修法布教に精進します」と力強く誓った。
成満会終了後、大衆法楽加持が営まれ、檀信徒らは気迫のこもった修法に手を合わせた。
午前10時、加行僧が散会した境内では、檀信徒の拍手で迎えられる加行僧や、共に修行した同志と固く握手する姿などもみられ、家族や檀信徒の再会に笑顔が溢れていた。

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新年のご挨拶。

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