2005年3月1日号
春成満 「修法布教へ精進」誓う
自己の修行と加持祈祷の伝授を受けるため、極寒の一百日間、苦修錬行を積む日蓮宗加行所で2月10日、加行僧193師が成満を迎えた。千葉県市川市の大本山法華経寺(新井日湛貫首)には未明から家族や檀信徒が出迎えのために訪れ、近年まれに見る賑わいに。境内には僧侶の名前が染め抜かれた色とりどりの成満旗が並び、加行僧の成満に花を添えた。
苦修錬行の一百日 193師が成満
冷たい雨の止んだ午前6時、青年僧の太鼓が響く中、百日ぶりに瑞門が開門。頭髪や髭が伸び、すり切れた清浄衣姿の僧侶が姿を現すと、一斉に歓声が上がった。「お帰りなさい」「お疲れさま」と声をかける人々や、涙を流しながら合掌し、ひたすら行僧を見つめる姿も見られた。
午前8時、祖師堂で新井日湛伝主を導師に成満会が営まれ、加行僧の力強い読経と出行を待ちわびた檀信徒の熱い思いが堂内に満ちた。
法要中、新井伝主から許証が、村山智城伝師(神奈川県親徳教会担任)から感賞状、岩間湛正宗務総長から修法師辞令と修法師範允許、伝師相承允許、沖縄修法布教団辞令が授与された。
岩間総長が「今日から修法師の第一歩を踏み出す人もいらっしゃいます。宗門では今年から新たな運動を展開していく予定です。ここで体験したことを活かし、宗門運動発展のために力を発揮してください」と挨拶。続いて新井伝主、村山伝師らが祝辞を述べ、加行僧にお祝いと労いの言葉をかけた。
全堂代表の飛鳥亘央師が謝辞を述べ、「一心欲見仏、不自惜身命の精神のもと一百日の結界修行に励んできました。多大な恩恵を頂いた方々への恩に報いるためにも、日蓮宗の修法布教に精進します」と力強く誓った。
成満会終了後、大衆法楽加持が営まれ、檀信徒らは気迫のこもった修法に手を合わせた。
午前10時、加行僧が散会した境内では、檀信徒の拍手で迎えられる加行僧や、共に修行した同志と固く握手する姿などもみられ、家族や檀信徒の再会に笑顔が溢れていた。