日蓮宗新聞
2009年10月1日号
日蓮宗の宝物五点が“里帰り”
「日蓮と法華の名宝」展にあわせ本山本法寺で特別展示
京都国立博物館で開催される「日蓮と法華の名宝」展にあわせ、ハーバード大学燕京図書館が所蔵する日蓮宗関係の貴重な資料を公開する特別展示が、京都市上京区の本山本法寺(大塚日行貫首)で行われる。
大統領やノーベル賞受賞者を輩出する世界有数の教育・研究機関、ハーバード大学(米国ケンブリッジ市)。その中にある燕京図書館には、中国・韓国・日本など東洋学に関する多くの図書・資料が所蔵されている。日蓮宗関係の宝物の一部が同図書館にペツォールドコレクションとして保存されていることが判明し、日蓮宗では一昨年から同図書館との交流をはかってきた。
ペツォールドコレクションとは、ブルーノー・ペツォールド(1873~1949)が旧蔵した約6000冊の和書と約450点の書画。ドイツに生まれたペツォールドは明治43年(1910)に新聞記者として来日、その後、ドイツ語教師として立正大学をはじめいくつかの大学で教鞭をとっている。また仏教学を島地大等らに仏教学を学び、天台宗の僧侶として出家を果たした。
日本仏教に関するものを中心に、中国・チベット仏教や神道、民間信仰に関わるものなど多岐にわたるコレクションの中でも、日蓮宗に関係する書画の資料は約40点にのぼり、今回はその中から「日蓮入滅図」「日荷上人画像」「法華絵曼荼羅本尊」「加藤清正画像」「三面大黒天画像」の5点が日本に一時的に里帰りをはたすこととなった。「日蓮入滅図」は京都国立博物館に、ほかの4点が本法寺宝物館(涅槃会館)に展示される。
9月11日、燕京図書館から5点の宝物が、東京・池上の日蓮宗宗務院に到着し、立正大学仏教学部の安中尚史教授によって開梱と確認作業が行われた。