日蓮宗新聞
2004年6月1日号
日蓮聖人銅像一周年記念法要
日蓮聖人が遺されたお題目の教えを広く社会に伝えたい―。青年僧の呼びかけに賛同した全国の有志僧侶と檀信徒の発願が実を結び、新潟県佐渡市(旧両津市)加茂歌代に建立された日蓮聖人銅像が創立一周年を迎え、5月13日、記念法要が営まれた。
昨年5月13日に落慶法要を終えた日蓮聖人銅像は、佐渡の観光名所として定着しつつあり、佐野前延師(福岡県本佛寺住職)を代表とする佐渡銅像建立委員会は名称を「佐渡銅像護持委員会」に変更、日蓮聖人銅像と建立地の維持整備のため新たなスタートを切った。
現在、大銅像の前には大きな香炉が奉納され、参拝者が自由に献香できる環境が整った。銅像台座には約3千名の建立基金奉納者の名が刻まれた。また、銅像建立の由来「建立辞義」の石盤が建立され、“宗祖霊跡の地・佐渡島の啓蒙”という佐野代表の思いも綴られている。
佐野代表を導師に営まれた一周年法要は、建立委員自身が事業円成・報恩感謝の読経を捧げようとの思いから、正式な案内はしていなかったが、両津妙法寺の吉田完隆住職や、福岡県本佛寺(住職・佐野代表)から約50人の信徒が参列。本山根本寺(竹中錬浄貫首)や東京、埼玉、静岡からも信徒が集まった。なかには一年前の法要に参加し「今日が記念日だから」と訪れていた熱心な檀徒もおり、建立委員、檀信徒一体となった力強い読経の声が響き渡った。
式典では、佐野代表から建立辞義を製作した池田字彫工業有限会社と、寄付銘板を製作したセキグチ工芸に対して感謝状が手渡された。
佐野代表は「昨年の落慶法要に至るまで、険しく長い道のりでした。賛同・ご協力を賜りました多くの方々、そして今日、この場に足を運んで頂いた皆さまに甚々の感謝を申し上げます。今後の維持・発展にはさらなる精進が必要となるでしょう。宗祖のご尊顔を拝してお題目をお唱えした今、その使命を再認し、身の引き締まる思いです。これより護持会設立に向けて行動をはじめます。よろしくお願い申し上げます」と謝辞を述べ、銅像護持へ決意を新たにした。
本山本立寺貫首に鈴木隆淨師
静岡県韮山町の本山本立寺貫首に鈴木隆淨師(韮山町實成寺前住職)の就任が決まり、辞令伝達式が5月13日、東京・池上の宗務院総長室で行われた。
岩間湛正宗務総長から「本山ご隆盛のため、ご尽力賜りますようお願い致します」と辞令を手渡された鈴木新貫首は「遺志遺法護山護持の一言に尽きます。前貫首の鈴木寛善上人(昨年11月遷化)の遺志を継ぎ、見習いから始める気持ちで、檀信徒、未信徒の皆さんが気軽にお参りできる本山を目指し努力していきたい」と語った。
大成山本立寺は、伊豆きっての豪族江川家の菩提寺として知られる、伊豆法難ゆかりの本山。日蓮聖人は流罪中の弘長2年(1262)、比叡山遊学中に帰依し後に開基檀越となった江川英親に招かれたおり、山頂から四方を望み、風光明媚な景勝を見て宿縁の地と感得、法華経一部八巻を埋経して法華経流布と立正安国を祈願された。