日蓮宗新聞

2004年3月1日号

宗祖御降誕会

日蓮聖人ご降誕のご霊蹟、千葉県天津小湊町の大本山誕生寺(石川日命貫首)で2月16日、第783回宗祖御降誕会の法要が営まれた。
日蓮聖人ご生誕のこの日は、年に一度だけ誕生寺の誕生堂に安置される、聖人12歳の頃のお姿を模したというご幼像がご開帳される。日蓮聖人のご両親のお墓がある妙蓮寺(上村貞雄住職)からご降誕の聖地・誕生寺まで渡御を行う習わしとなっている。
午前11時、檀信徒が担ぐ御輿にご幼像が安置され、僧侶檀信徒約200人の行列は海から吹きつける風にも負けず、お題目を響かせながら、誕生寺へ。約30分後、祖師堂前に到着し、ご幼像がご奉安された。
午後1時、祖師堂で石川貫首を導師に法要が営まれ、僧侶檀信徒約300人が参列。法要中、石川貫首が慶讃文を読み上げ、日蓮聖人の願われた立正安国の世界がこの世に実現し、法光が世界に輝き広布されることを願った。続いて読経の中、焼香が行われた。

宗務総長名代の藤崎一明伝道局長が挨拶に立ち「お題目を唱え続け、法華経を弘め、お釈迦さまの心、日蓮聖人の心を伝えっていって欲しい」と話した。最後に石川貫首が「17年後に日蓮聖人ご降誕800年を迎えます。日蓮聖人は生涯を通して立正安国をこの世に築きたいとの願いを込めてお題目を弘めました。誕生寺では7年前から休むことなく晨朝法話を行っています。それはお題目の根を植え付けるためであり、皆でお題目を唱えるためでもあります。この誕生寺に布教殿堂を作っていきましょう。尊い法華経の教えを弘めるために力を貸してください」と挨拶した。
法要終了後、誕生寺で月1回練習を行っている千葉南部法華和讃会の16ヵ寺から、寺庭婦人・檀信徒148人が日頃の成果を奉詠。続いて25人の修法師によって特別祈祷会が営まれ、ご宝前法楽の後、一般大衆法楽加持が行われた。修法師の力強い読経が響く中、参列者は手を合わせ無病息災を祈った。
誕生寺では日蓮聖人ご降誕800年(平成33年)に向け、一年中法話の聞けるお寺とし毎日の晨朝法話や、山内の特別公開を行っている。一人でも多くの人に下種結縁の運動を展開するため『小湊山御書要集』を発刊、また布教殿堂の建設を計画し、支援を募っている。

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いざ広宣流布へ

入行会よりも早くなった木柾の音、読誦の大音声。共に祖師堂に座し、共に手を合わせる誰もが、百日結界の大荒行堂を終えて得た読経三昧の成果を肌で感じ取った。
千葉県市川市大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)で2月10日、日蓮宗加行所の成満会が行われた。

136名、修法布教に精進誓う

午前6時、青年僧の太鼓が響き渡る中、瑞門が開門した。行僧136人が通る脇道には、未明から首を長くしてこの瞬間を待つ寺族、檀信徒、友人らがズラリ。行僧は各々の名前が染められた成満旗をかきわけるように姿を見せ、出迎えの歓声を浴びながら前を見据え、唱題を繰り返した。
成満会は午前8時から祖師堂で営まれ、伝主の新井貫首が許証を授与。岩間湛正宗務総長が修法師辞令交付を行い、「ここでの修行に基づく信念、信仰を忘れず、宗門と寺門興隆の為、これからも全力を尽くして下さい」と激励し、全員揃って成満会を迎えられたことに祝意を表した。
また、新井貫首、正伝師の村山日良師(神奈川県円徳寺院首)、千葉県北部宗会議員の渡辺照敏師(法蓮寺住職)、全国修法師会連合会会長の工藤堯幸師(青森県聞法寺住職)が挨拶し、労いの言葉をかけた。

最後に、全堂代表の相沢是見師(新潟県蓮昌寺住職)が「私ども136名は不惜身命、勇猛精進の決意をもって修行に励んで参りました。今日以後、多大な支援をいただいた方々のご恩に報いるよう、修法布教に精進することを誓います」と謝辞を述べ、祖師堂は喜びを分かち合う温かい拍手に包まれた。
午前10時頃、帰り支度を済ませ、許証を手に常修殿から出て来た行僧は足早に待ちわびる人のもとへ。目を潤ませ行僧の頬に手をあてる檀信徒や、百日ぶりに子どもを抱く行僧など境内は和やかなふれあいの場となった。

すべて諸仏諸天の守護のおかげ

▽松竹正純師〈長崎県徳性寺修徒・初行〉
「感激で涙がとまらない。お上人は人の気持ちを理解してくれる人で、これからも色々と指導してほしい」(檀信徒)
▽木下恵隆師〈北海道妙顕寺修徒・初行〉
「法悦歓喜極まりなし。すべて諸仏諸天のご守護のおかげです」(父・恵徳師)
▽工藤寿真師〈青森県板柳町妙光寺修徒・初行〉
「小さい頃から体が弱く、これまで生きてこられたご報恩で行に入った。よく頑張った!」(父・恵照師)
▽持永海宣師〈長崎県法妙寺修徒・初行〉
「髭のせいか、たくましくなられて…。あと数年は小湊の誕生寺で行を積んで、帰ってこられると聞いています。その時が楽しみ」(檀信徒・山中友一さん)
「今後も初心を忘れず、謙虚に頑張ってほしい」(母・美智子さん)

▽奈良随厚師〈青森県法華寺修徒・再行〉
「自分たちのために頑張ってくれ、ありがとうの気持ちでいっぱい。感謝の言葉しかありません」(檀信徒・葛西さん、今井さん)
▽雨宮通一師〈山梨県成妙寺修徒・初行〉
「温かく迎えます。十年、二十年先もこの行を生かし、支える檀信徒の気持ちを受け取ってほしい」(総代長・新津昇さん)
▽園田本忠師〈熊本県本澄寺修徒・初行〉
「姿を見たら感無量で言葉が出なかった。これからも健康で、得たものを生かして精進してほしい」(母・愛子さん)
「末息子の祐心(1歳6ヵ月)は髭を見たら父親とわからず泣いてしまうかも。髭を剃った時にわかるかな?」(妻・順子さん)

▽中村公彦師〈福岡県普門寺修徒・再行〉満田康樹師〈同県真浄寺修徒・初行〉
「二人揃って立派な姿を見たら目頭が熱くなった。お寺の伝統で公彦上人は五行まで出られるのでしょうか。その時まで自分が健康でいられるといいですね」(檀信徒・依里進さん)
◇   ◇
加行所を出て行が終わるのではなく、本当の行はこれから。心がすさみ、混沌とした平成の今、法華経広宣流布の祖願達成のために百日の経験をいかに役立てるか、荒行僧に対する期待は大きい。

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新年のご挨拶。

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