日蓮宗新聞

2023年5月20日号

全日青がLGBTQイベントに出展

「仏教は多様性だ!」多くの人に伝える

 全国日蓮宗青年会(以下=全日青)は4月22、23日に東京都代々木公園で開かれた国内最大級のLGBTQ関連イベント「東京レインボープライド2023」に参加した。「仏教は多様性だ!」をキャッチフレーズに仏教が多様性を尊重していると来場者に伝えるとともに、多様性を象徴する虹の光背を持つネオンのブッダ像と写真を撮るブースを設置。来場者からは「仏教や日蓮宗がLGBTQと結びつくとは意外だった。すごく好感を持てた」という感想が聞かれ、終日ブースは賑わいを見せた。【写真1面】
 企画した全日青の社会教化担当委員長の佐顗臣師は、「より良い社会のために仏教の多様性の教えを伝えたいが、お寺や僧侶は社会と接点をもってお経の意味を話す機会が少ない。やはり外に出ないといけない」と出展理由を話す。全日青の横井通泱会長は「LGBTQだけではなく、自分の本当の気持ちをいって理解されないどころか、攻撃される可能性があるため、怖さや辛さを感じている人たちがたくさんいる。それを受け止めてくれる人がたくさんいれば、生きやすい人が増える」と希望を語った。
 ほか全日青は、全日本仏教会が制作したレインボーステッカーを多くの日蓮宗寺院で掲げてもらう取り組みをしている。同ステッカーは多様性などを象徴し、当事者として悩みがある人たちの声に耳を傾ける意思を示すために作られた。今回、仏教宗派を掲げての出展は全日青のみだった。

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日蓮聖人柏崎番神堂ご着岸750年

降誕800年慶讃式典開く
 新潟県柏崎市妙行寺・宗門史跡番神堂・新潟県西部宗務所共催の日蓮聖人柏崎番神岬ご着岸750年と降誕800年慶讃式典が4月15日、同市番神堂で営まれた。
 文永11年(1274)、佐渡配流中の日蓮聖人に赦免状が出され、佐渡から船で着岸されたのが同岬。日蓮聖人は無事の上陸に感謝し、八幡大菩薩を中心に三十番神をまつられたと伝わる。また同管区ではコロナ禍で降誕800年の法要が行えずにいたが、番神堂の秋山文孝主管(妙行寺住職)の協力を得て同時開催となった。

 当日、岬にある市管理の祠に許可を得て設置されたご着岸を顕彰する石碑の開眼法要が、小田泰映新潟西部青年会長を導師に営まれた後、全国日蓮宗青年会や身延山開創750年を記念する久遠寺の布教隊が番神堂まで唱題行脚した。番神堂は柏崎市民から慕われる憩いの場で、今回の慶事を祝うため紅白幕を張った近隣の家々にお題目を轟かせた。
 番神堂境内には新しい日蓮聖人石像が妙行寺や番神堂、管区の僧侶檀信徒の寄進によって建立され、行脚隊の到着とともに海老要晃修法師会長を導師に開眼法要が行われた。秋山主管と近藤玄省所長らが除幕すると、檀信徒約220人が歓声をあげるとともに合掌して法要を見守った。
 番神会館での法要には、住職1代のうち、ただ1度だけ開帳が許されるという番神堂本殿奥の厨子に格護される八幡大菩薩像がご宝前に遷座された。秋山主管は1度だけの開帳ならば、このご着岸750年の慶事だと決めていたという。また先代での開帳の記録がないことから実に70年以上ぶりではないかと推測するほど特別なものとなった。八幡菩薩像を前に神奈川県本山龍口寺の本間日恩貫首を導師に慶讃法要が営まれた。妙行寺写経の会ならびに同管区和讃振興会有志による和讃が奉唱されるなか、導師や式衆が入堂。お経や声明を捧げた後、本間貫首が慶讃文で衆生を救うために降誕された日蓮聖人に報恩を示しながらも佐渡配流でのご苦労や番神岬までの旅路を偲んだ。
 続いて講談師・一龍斎貞鏡さんの話芸や八幡大菩薩像の間近での拝観が行われた。貴重な機会を得た参加者の1人は「2つの慶事だけではなく、八幡大菩薩のお開帳という特別な日になりました。これからもお題目を唱えて信仰を深めていきたい」と笑顔を見せた。
 92歳の秋山主管は「日蓮宗としても大切であり、地元の心の故郷でもある番神堂を今まで39代にわたって守り通してこられたことに感謝しています。これからも私の使命として守っていきます」と力強く誓った。
 近藤所長は「800年の管区大会は、もうできないのではないかと思っていましたが、秋山主管に声をかけていただき、こうして無事に開催できて報恩感謝を僧侶檀信徒とともに捧げられたことを、本当にありがたく思っています」と胸をなでおろした。

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2023年5月1日号

佐渡ご出立750年法要

 新潟県佐渡市真浦の日蓮堂で日蓮聖人佐渡御出立750年ご正当報恩法要が3月14日、佐渡本山根本寺の竹中日貫首を導師に営まれた。真浦は750年前(文永11年)に佐渡流罪をご赦免となられた日蓮聖人が鎌倉に向けて船で出立された地。「剃ったはずの後ろ髪を引かれ、踏み出した足を戻したい気持ち」(『国府尼御前御書』)という聖人出立のお気持ちに、静岡県東部宗務所の団体参拝をはじめとする全国からの僧侶檀信徒約100人が思いを馳せ、お題目を唱えた。
 令和2年は聖人佐渡入国750年にあたり、根本寺で入三昧堂法要が営まれた。「750年の節目を迎え、改めて聖人を再びお迎えしよう」との旨趣から、「かつて佐渡に聖人がいらっしゃった」という事実を「今、聖人がいらっしゃる」という思いにしてきた。今回の法要はその締めくくりとなる。
■最後の謫居地妙照寺発つ
 真浦での法要に先立ち、聖人が佐渡の最後にいらっしゃった本山一谷妙照寺で鈴木日教貫首を導師に法味言上が行われた。妙照寺は一昨年の火災により数棟残し焼失しており、かつて茅葺きの本堂があった跡地に向かって読経した。1月に貫首に就任した鈴木師は「750年前に日蓮聖人が出発された時と今日、皆さんの前で始めて導師として法味言上できたことは、聖人ご出立後の妙照寺の留守を託されたように感じた」と復興への決意を固めた。また同寺総代長の矢邉政廣さんは「全国から妙照寺に参拝いただき、勇気づけられた。皆さまの協力を得ながら復興を成し遂げたい」と話した。
■渋手から真浦日蓮堂へ
 聖人が佐渡の人びととお別れになられたことを伝える1つ、豊田の渋手霊蹟碑前で一読を行った後、真浦の日蓮堂で法要が営まれた。日蓮堂は聖人が一晩過ごされたという日蓮洞窟の山側に建立されている。堂内や祖師像、厨子などの修復が必要だったことから、今回の750年を機に竹中師や日蓮堂を管理する舟元・永井学さん、静岡県の木内桓道師、山梨県の望月浄教師を中心に日蓮堂復興会を立ち上げ、本山会など多くの協力で整備が終了し、当日を迎えた。聖人ご出立の船頭の子孫と伝えられる永井さんは「昭和11年以来手つかずだった尊像などが身延山で修復されたことは、何ものにも代えがたい」と喜びを噛み締め、「この縁を大切にして護持に努めていきたい」と謝意を表した。竹中師は表敬告白を読み上げる途中、約3年間の給仕に思いを致し、「当時の聖人と人びとの思いを感じたいと多くの人が真浦に集った。鎌倉まで無事に着くことを祈念し続ける」と述べると思わず言葉をつまらせた。
■全員でお見送り
 最後に、真浦の津に建立されている波題目の石碑から聖人ご出立の故事に由来する歌題目「七遍返し」が流れるなか、船から水溶性紙灯籠と玄題旗を立てた佐渡名物たらい舟を洋上に浮かばせた。参加者は海岸から名残り惜しく合掌して見送り、お帰りの順を追ったドラマのような日蓮聖人佐渡ご出立750年が幕を閉じた。竹中師は「静岡東部さんが製作した紙灯籠の供養をはじめ、多くの人たちや仲間の協力を得て無事に日蓮聖人をお見送りすることができた。約3年前に聖人を改めてお迎えし、本日を目標に給仕してきた。しかし、もう聖人がいらっしゃらないということではなく、また心新たに給仕していかなければならない気持ちしかない」と話した。

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新年のご挨拶。

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