日蓮宗新聞
2016年4月10日号
日蓮宗あんのん基金の推進を
日蓮宗宗務院は、全国の寺院教会結社などで募った浄財を国内外の各社会貢献活動を行う団体の支援にあてる日蓮宗あんのん基金を推進中だ。
日蓮宗あんのん基金は、日蓮宗が信奉する『妙法蓮華経』の慈悲の精神に則り、戦争、天災、貧困、環境などの諸問題に取り組む世界中の人びとへ、民俗や宗教、文化の違いを超えて有効な支援を届けることを目的にしている。基金設立から今までに寺院などのほか檀信徒や一般企業から集められた募金総額約1千4百万円は、平成24年4月から昨年12月までに世界17ヵ国、66団体、100以上の事業で役立てられてきた。国内では、母親への産後のサポートをするための助産師や助産所の支援、また海外ではカンボジアのスラムの保育施設や小学校の子どもたちへの給食支援、世界的な問題となっているシリア国内の衝突による難民への支援などに基金は有効利用された。
今回、担当の宗務院伝道部では、募金箱とリーフレットを作成し、浄財を全国の寺院教会結社で改めて募り、支援の輪を広げたいとしている。「個人で支援することは難しいが、この基金を通して僧侶檀信徒の誰もが社会や世界に向けて何か力になることができる。こういった1つひとつの積み重ねから、お寺が地域社会に開かれていけばうれしい。とくに若い世代の社会貢献に対する意識が高くなっており、お寺のアピールにもなる。寄付を通してお寺や檀信徒が、社会問題に対しての関心を高めれば、地域や社会、世界ともつながっていくことが期待される」と伝道部の担当者は語る。
また伝道部では、一般社団法人「お寺の未来」が行っている、「おそなえもの」を仏さまからの「おさがり」として貧困家庭へ届ける「おてらおやつクラブ」事業など、あんのん基金で縁をもった団体と全国寺院教会結社との仲介役をつとめ、物質的な支援も行っている。
現在までの主な支援団体=ミャンマー農村部における保健センター環境改善プロジェクト・特定非営利活動法人 AMDA社会開発機構/ペーパービーズネックレス制作によるエイズ孤児を抱えるシングルマザー家庭の収入向上事業(ウガンダ)・特定非営利活動法人エイズ孤児支援NGO・PLAS/福島県の子どもたちに低線量地域の自然を活かした安全保育環境提供事業・特定非営利活動法人移動保育プロジェクト/子どもも大人も学べるスラムの図書館・識字教室推進事業・公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会/特定非営利活動法人国連UNHCR協会・特定非営利活動法人 国連UNHCR協会
◇募金振込先=加入者名 日蓮宗あんのん基金/口座記号番号 00140―4―378115
2016年4月1日号
開花活動の2年目がスタート!
宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」第3期開花活動の2年目(全4年間)がスタートしました。また平成19年度から始まった宗門運動は10年目の節目を迎えました。
日蓮宗では運動開始以来、「合掌」を軸に僧侶・檀信徒はもちろん、社会に対しても運動を展開・推進してきました。第1期播種活動では『立正安国論』をはじめとした日蓮聖人の願いを私たちは受け止め、常不軽菩薩の但行礼拝の精神、「敬いの心」を体得する「合掌礼」の推奨、第2期育成活動では道徳観の崩壊が見える世相のなかで、日蓮宗内外に社会運動としての広がりをもつ「合掌」運動を展開してきました。
そして第3期は、今まで推進してきた合掌に合わせ、より一層明確な仏さまとのつながりを得てもらうために、1人でも多くの人たちにお題目と縁を結んでもらうための活動を行っていきましょう。但行礼拝の精神「敬いの心」を体得することが、「敬いの心で、安穏な社会づくり、人づくり」につながっていくのです。
今年度もサブテーマは「組織で動く」が設定されました。すべての人に対して敬いの心で接しようという但行礼拝の精神は、日蓮聖人が『崇峻天皇御書』で示されたように「法華経の修行(実践)の肝心」です。僧侶檀信徒が一体となって、合掌とお題目の輪を広げていきましょう。