日蓮宗新聞

2008年7月10日号

祖廟輪番50周年記念法要 輪番給仕へさらなる誓い

 宗祖日蓮聖人御廟のもとで聖人にご給仕を申し上げる祖廟輪番制度が始まって今年で50年。「祖廟輪番50周年記念法要」が7月1日、総本山身延山久遠寺(内野日総法主)で厳修され、祖廟輪番本部長の小松浄慎宗務総長をはじめ僧侶檀信徒百六人が参列した。五重塔建設中の久遠寺ではちょうどこの日から、五重塔の素屋根を取り外す工事を開始。竣工への幕開け初日、「立正安国・お題目結縁運動」の一環である祖山総登詣とともに輪番給仕へのさらなる誓いが捧げられた。

50年間に67万人が給仕

輪番給仕は、日蓮聖人のご遺命によって直弟子である六老僧が交替して御廟所をお守りしたことに由来し、昭和33年7月1日、85世増田日遠法主猊下(第37代管長)から永倉唯嘉宗務総長に委嘱状が渡され最初の輪番が行われた。「僧侶の祖廟輪番給仕」「檀信徒の祖廟参拝奉仕」は宗憲にも定められ、50年の間に約67万人が登詣している。
記念法要は、梅雨の合間の晴天の下、久遠寺祖師堂に宗務内局、全国の宗会議員、宗務所長、檀信徒協議会長が参列し、輪番給仕の規程にしたがって営まれた。
はじめに、法主猊下から給仕を依頼される委嘱式が、望月海英祖廟輪番事務局長の言葉で開始。内野法主猊下の御前に小松宗務総長と神蔵義一久遠寺副総務、望月本映山静教区長が進み、内野法主猊下から「委嘱之疏」と中啓が渡された。
小松宗務総長から給仕者の記帳簿奉読を受けた内野法主猊下は、「宗門では立正安国・お題目結縁運動の一環として祖山総登詣が実動に入りました。身延山と致しましては、この運動の目的達成のために境内や諸堂の整備、施設の充実を考え、愛される祖山の実現に向けて努力しているところであります。お題目の発信基地として世界に名だたる身延山となりますよう、より一層のご支援ご協力をお願いする次第でございます」とお言葉を述べられ、最後に「今後輪番奉仕がさらに発展充実し、祖山総登詣と共に継続的にご参詣いただきますようお願い申し上げます」と締めくくられた。
続いて、小松宗務総長を導師に法儀が営まれた。式中、小松宗務総長は「我等宗門運動に於ける『祖山総登詣』と輪番規程制定50年を機縁と致し、あらゆる生命の拠りどころでありし祖山の使命を今再び確認し、門下檀越共々に、我が身をもって衆庶善導、登詣結縁せしむること末代門下一同、爰に誓願を捧げ奉る」と奉告文を読み上げ、読経の中、宗務内局に続いて参列者全員が香を手向け、「日蓮が弟子檀那等は此山を本として参るべし。此則霊山の契也」と示された『波木井殿御書』を拝読した。
全国の檀信徒を代表して誓いの言葉を述べたのは、江守幹男全国檀信徒協議会長。ご宝前で「奉仕団一同を代表してお誓い申し上げます」と発声し、声高らかに五つの誓いを読み上げた。
記念法要後、給仕者は御真骨堂を内拝し、「霊山之契」を頂戴した。
また、身延山大学講堂で行われた祝宴の席で、小松宗務総長は「立正安国・お題目結縁運動の総登詣と同時に輪番がますます盛んになってくるとことを信じております。各地の檀信徒の皆さんに祖山へ詣でていただいき、これからさらに力を込めて運動を進めて参りたいと存じます」と挨拶。久遠寺の井上瑞雄総務は、今回の記念法要の開催とこれまでの輪番奉仕給仕者にお礼を述べるとともに、日蓮宗5000ヵ寺のうち3分の1にあたる1672ヵ寺がまだ輪番奉仕をなしていない現状(3月末現在)を述べ、「5年10年先には5000ヵ寺すべてが、立正安国・お題目結縁運動の一環であります総登詣にしたがって輪番奉仕がなされますようお願い致します」と述べ、祖山へのさらなる支援を呼びかけた。
五重塔を風雨から守るとともに参詣者・工事関係者の安全を確保する素屋根は、約1ヵ月半をかけて取り外され、8月半ばいよいよ祖山に、輪番給仕者のあらたな指針ともなるお題目発信の塔が出現する。

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2008年7月1日号

震度6強 岩手・宮城内陸地震

6月14日に発生した平成20年岩手・宮城内陸地震は、岩手県奥州市と宮城県栗原市で震度6強、宮城県大崎市で震度6弱を記録し、6月25日現在、12人が死亡、10人が行方不明のままとなっている。震度6強を観測した奥州市、栗原市、震度6弱を観測した大崎市には計11ヵ寺の日蓮宗寺院と3ヵ所の教会・結社があり、各管区の宗務所で被害状況の把握にあたっている。日蓮宗宗務院内の災害対策本部は6月23日、岩手・宮城・秋田・山形の日蓮宗災害対策支部に一時見舞金として各10万円を送金した。

震度6強を観測した岩手県奥州市(4ヵ寺)、宮城県栗原市(5ヵ寺)、震度6弱の大崎市(5ヵ寺)にある寺院では、一時ライフラインが不通となったり、門柱や墓石、灯籠の倒壊、天蓋や位牌の落下などの被害に見舞われた。
宮城県大崎市の宝照寺(酒匂本誠住職)では、本堂の天蓋から瓔珞の一部がはずれ落下、本堂や納骨堂はさまざまな仏具や位牌で散乱した。境内は町内の避難場所の一つとなり、午前9時頃から住民のための炊き出しも行われた。檀徒宅や一人暮らしのお年寄り宅を回り車で避難所への移動を助け、14日は深夜の帰宅となった酒匂住職は「ドーンという突然の大きな揺れで、本堂が八の字に揺れていました。震度のわりには大きな被害がなかったのことが不幸中の幸いです」と語っていた。
同市妙勝寺(佐藤徳明住職)では本堂の壁が一部剥落し石灯籠が倒壊、本還寺(加藤錬仲住職)では灯籠約30基が倒壊した。
宮城県栗原市の一乗寺(白鳥瑞崇住職)と高松寺(白鳥惠庸住職)では門柱が倒壊、光明寺(久保田弘毅住職)では瓔珞が破損、灯籠、墓石の倒壊もあった。震源地に最も近い栗駒上行寺(白鳥惠庸代務住職)でも位牌や仏具が倒れたが、平成15年の宮城県北部地震の際に棚の固定など地震対策を施しており、大きな被害はなかった。
岩手県奥州市にある岩手県宗務所の梅澤宣雄所長(妙法寺住職)も墓石の倒壊や瓔珞の破損などを確認、現在檀信徒の被害状況の確認にあたっている。
山梨県甲府市立本寺の石原顕正住職が理事長を務めるNPO法人災害危機管理システムEarthは地震発生当日の14日に被災地入りし16日まで、岩手県宗務所、宮城県栗原市内の寺院や栗原市災害対策本部などをまわり現地調査を行った。
6月25日現在、日蓮宗災害対策本部で、本堂の全半壊など建物に対する大きな被害、また僧侶・寺族・檀信徒の人的被害の報告は受けていないが、引き続き各管区の被害状況の把握にあたっている。

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新年のご挨拶。

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