日蓮宗新聞
2006年1月10日号
サンノゼ市(カリフォルニア)妙覚寺別院25周年法要
四半世紀前、当時の京都本山妙覚寺貫首・及川真学(本妙院日修)上人が日蓮聖人御入滅七百遠忌にあたり、広宣流布の祖意に応え、海外布教の一拠点として創立した米国カリフォルニア州のサンノゼ市にある妙覚寺別院で10月22日、創立25周年法要と、松田龍紹師から松田アーノルド真光師への法灯継承式が行われた。
創立者の及川上人は生前、「妙覚寺別院の三代目の主任には、アメリカ生まれの僧侶に就任してほしい」との思いがあり、その夢が実現すると共に、三代目の真光新主任は真学上人の最後の弟子でもあった。
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当日は、現地のメンバーや日本からの団体参拝者、別院と交流する少林寺拳法の拳士やサンノゼ剣道者ら約300がお祝いに駆けつけた。
澄み切った秋空のもと、午前10時40分、まずはじめに25周年を記念して、龍紹師や弟子のマコーミック龍英師らが作成した『絵曼荼羅』と『Lotus World』がご宝前に奉納され、また秋間啓子さんが御薄を二服点て、献茶した。
次に、同寺が開設する「たちばな学園」及びダーマスクールの児童らが献華・献香・献灯を行い、ご宝前が荘厳され、同寺理事長の及川周介師(東京都常圓寺住職)を導師に法要が営まれた。法要中お経・奉告文・代表焼香・唱題などは英語で行われた。
その後、金井勝海北米開教区長から龍紹師へ免辞令、真光新主任へ就任辞令が伝達された。その後、龍紹師から真光師へ払子が手渡され、真光新主任が高らかにお題目を唱えた。続いて、金井開教区長が岩間湛正宗務総長(当時)の祝辞を読み上げ、頂岳龍乗本山妙覚寺貫首等がお祝いの言葉を述べた。龍紹師、真光新主任、千葉県本山日本寺の及川真介貫首がお礼の言葉を述べ、記念法要を終えた。
その後、隣接する専精館で昼食会が開かれ、鏡開き、尺八演奏、龍紹夫妻への花束の贈呈などが行われた。
また、前日には近隣のホテルで記念晩餐会が開かれ、25年を振り返るスライドやバンジョー、真光新主任の剣道仲間からの祝辞などで大いに賑わった。
真光新主任は、「先師の業績を踏み、創立精神を守っていきたい。前主任には、今後も寺の護持を補佐していただき、そしてさらに新たな布教をしてもらいたいと願っている」と語った。
◆新主任・松田真光師
1971年、ワシントン州シアトル市で誕生。幼名・松田アーノルド雅光。1983年、及川真学上人の弟子となり出家得度。真光と僧名を授かる。また、十歳からサンノゼ剣道道場で田中チャーリー道場主の指導のもと剣道を始め、1993年、全米剣道選手権で優勝。世界剣道選手権には全米代表として3回出場。現在、錬士六段。(大澤宏明記)
「小松内局」始動
岩間湛正日蓮宗宗務総長が昨年12月14日、体調不良を理由に任期中の辞任を表明したことを受け、12月20日、第93が東京大田区池上の日蓮宗宗務院で開かれ、宗務総長選出選挙の結果、後任に小松浄慎師(58)=山梨県身延町武井坊住職=が選出された。同月22日には、新総長就任に伴う内局役員の認証式が宗務院で行われ、小松宗務総長が内局を構成する11師に辞令を伝達、「小松内局」が正式にスタートした。
立正安国・お題目結縁運動に向け
宗門のために尽力
12月20日の臨時宗会を加療のため欠席した岩間宗務総長は、代理の栗原正震伝道局長を通して「未解決の諸問題を抱えたまま終了致しますことは実に申し訳ないことです。よりよい内局を構成し諸問題解決に当たって頂きますようお願い申し上げます」と退任挨拶を行った。
これを受け、総長を選出する選挙が行われ、宗会議員45人中44人による投票の結果、小松浄慎議員が23票を得て新総長に決定。小松新総長は「政治手腕に長けた岩間総長の後を継ぐことは非常に重い職であることを肝に銘じております」と述べ、3月の宗会で所信を表明するとした。
岩間前総長は平成15年1月に選出され第一次内局を組織、翌年4月に第二次内局を発足させ、①布教伝道②教育③財政④宗門組織を四本柱に宗務行政を執行。昨年3月の第91定期宗会では、管区・教区の企画会議、さらには中央伝道企画会議で討議検討を重ねた“宗門の総意”による運動「立正安国・お題目結縁運動」を提唱した。
同月22日、宗務役員認証式が宗務院で行われ、小松宗務総長が新内局役員に辞令を手渡したあと「何においても本年4月1日から発足致しました立正安国・お題目結縁運動に向け内局一同誠心誠意宗門のために尽力をする覚悟を致しております」と挨拶した。新内局の任期は昨年12月20日から4年間。
なお、12月15日の第92特別宗会で、宗会議長に平井照山師(佐賀市泰教寺住職)、副議長に田中文教師(札幌市光明寺住職)が選出された。