日蓮宗新聞

2003年11月10日号

身延山で檀信徒研修道場

平成15年度の第2回檀信徒研修道場(日蓮宗伝道部主催)が10月28日から身延山信徒研修道場で開催され、全国から昨年より10人多い檀信徒27人が参加した。今回の最高齢は湯浅夏人さん(82)。吉田弘信主任講師(石川県全性寺住職)、植田観樹講師(大阪府寺住職)、植坂泰雄常任書記(神奈川県三浦市実相寺内)のもとで2泊3日、それぞれの信仰を深めた。
初日は講師による講義や読誦行のほか、自己紹介の場も設けられ、同志の絆を深めた。
翌日は研修道場の山場でもある奥の院登詣。午前9時半、うちわ太鼓と唱題の声を山に響かせ、励まし合いながら思親閣を目指し、午後1時半には登り終えた。
夕刻には植田講師、吉田主任講師の講義(別項)、法座が開かれた。法座では、研修後もその成果を発揮できる機会として、修了者で結成され、勉強会や研修旅行で切磋琢磨しているという大阪の豊能立正身延会が紹介され、今後は参加人数を増やし、確保するという意味でも同様の組織を作るとよいのでは、という提案が出された。
最終日は4時半に起床し、まだ薄暗い中、常唱殿で唱題行。書記を務めた上田晃義師(山梨県教林寺住職)と小埜栄輝師(岡山市妙林寺内)の講話に耳を傾けた後、書写行に専念した。
閉講式では、望月健さん(58)が謝辞として、前日のどしゃ降りがやみ、晴天下で奥の院を登詣できたことに「日蓮聖人が歓迎してくれていると思い、思いきりお題目を唱えて登詣した」と述べ、「(吉田講師が述べた)“発心”が今回のテーマだと思った。このテーマを信仰の誓いとしたい」と決意を新たにした。

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大本山中山法華経寺で大荒行堂始まる

平成15年度日蓮宗加行所(大荒行堂)―。今年もまた、閉ざされた門の中で日蓮宗の僧侶、136師が荒行にいどむ。千葉県市川市・大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)で11月1日、100日間の苦修錬行が始まった。先月に再建したばかりの加行所で修行する平成15年度の入行僧は、この日の入行会で、錬行に耐え抜くことを誓い、多くの檀信徒に見守られながら瑞門をくぐった。
午前八時頃、しとしとと小雨に濡れた清浄衣に身を包み、剃髪姿で緊張した面持ちの入行僧は、言葉少なに家族や友人、檀信徒としばしの別れを惜しんだ。徐々に日も差し込んできた午前9時、呼鐘が鳴ると入行僧は決心したように常修殿へ。父親の後ろ姿を見つめ、涙を必死でこらえる子どもの姿もあった。
入行会は午前9時、祖師堂で加行所伝主・新井貫首を導師に営まれ、堂内は大音声の読経が響き渡った。
岩間湛正宗務総長は挨拶の中で「宗門が誇る歴史と伝統に輝く修法道がより一層の飛躍を遂げることを念願する。入行される各聖の後ろには、壱百日間の修行を乗り越え、一段とたくましく成長し、尊厳に満ちた修法師となられたお上人の姿を、一日千秋の思いで待ちわびている師僧や寺族、多くの檀信徒がいることを忘れてはなりません。全員が成満会を迎えられることを心からお祈り申し上げます」と述べ、新井伝主が身命をかけた水行と読経を行うよう入行僧を激励。村山智城加行所伝師は「栄光と歴史ある加行所が始まりました。皆さまのすべてを私がこれよりお預かりします」と挨拶した。
続いて千葉県北部の赤羽浩教宗務所長、全国修法師連合会の工藤堯幸会長が祝辞を述べ、全堂代表の相沢是見師が「不自惜身命の決意をもって苦修錬行に精進する」と力強く宣誓した。
報恩読誦会の後は常師廟、奥之院を参拝し、行列はいよいよ瑞門へ。唱題の声はさらに迫力を増し、見送りの家族や檀信徒は合掌しながら「行ってらっしゃい」「頑張って」などと大きな声を掛けた。午後3時、瑞門が閉まり、入行僧の姿が見えなくなると「もう見えない、声しか聞こえない」と目頭を押さえる檀信徒の姿も見られた。
再び瑞門が開くのは来年の2月10日。

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2003年11月1日号

ようこそ!ペナン日蓮宗仏教会

10月11日から訪日していたマレーシアの信徒団を歓迎しようと、日蓮宗宗務院主催の歓迎晩餐会が10月15日、東京・大森東急インで開かれ、後援の僧侶、関係者約20人が迎えた。
訪れたのはペナン日蓮宗仏教会(法華山一念寺)の小幡妙照担任とメンバー22人。一行は今年4月20日、東京・池上本門寺と日蓮宗宗務院で開催された「ワールドフェスタin池上」に参加予定だったが、新型肺炎(SARS)の影響でやむなく断念。その後、双方の強い希望もあってようやく訪日が実現した。
式では今井真行国際課長を司会に、はじめに田端義宏伝道部長が「これからの21世紀を統合する原理が法華経であり、そうでなくてはならないと思う」と述べ、アジアに向けた開教の推進を図るため「今後も信仰のバックアップをしていきます」と歓迎。日蓮宗国際仏教親交会の加藤日暉会長が挨拶し、両国の所作で乾杯が行われた。
また、日蓮宗海外布教後援会の吉田文堯会長が「今年4月にはお会いできず寂しさが身にしみたが、今回は喜びを共にでき、感謝している」と嬉しさをにじませ、昨年6月にペナンを訪れた日蓮宗国際仏教親交会の持田日勇理事長が「今後もペナンを訪れ、交流を深めたい。小幡師を中心にお題目の花を咲かせて下さい」と挨拶した。
また、持田理事長から祖師像を彫ってほしいと頼まれ、15日間で木製の祖師像を完成させたという朝比奈安成師(厚木市仙行寺住職)も歓迎の言葉を述べた。
信徒団からは、アン・ティアンスーンさんが「日蓮宗に認知されて幸せに思う。池上、身延を訪れ、清澄にも参拝できるとあって、今回の訪問はまるで家に帰ってきたかのよう」と述べ、担任となって2ヵ月を迎えた小幡師が「強い信仰を持つメンバーと出会い、当初はあった不安もいつの間にか消えていた。皆さんと一緒に末法の世に広宣流布を目指し、東南アジアの地に精進したい」と意気込みを見せた。
賑やかな晩餐では、信徒団が記念品やマレーシア伝統の織物などを一人ひとりに手渡し、握手を交わすという親しみのこもった交流も。また10代の女の子による威勢の良い「江戸桜太鼓」が披露され、料理に舌鼓を打ちながら日本の文化に親しんでいた。
最後には、信徒団が小幡師を連れて舞台に上がるというハプニングもあり、小幡師を囲んで参加者にお礼の歌がプレゼントされた。
一行は本門寺の御会式にあわせて7日間滞在し、久遠寺、誕生寺、清澄寺などを訪れた。

マレーシア・ペナンの布教
マレーシアではイスラム教徒に次いで仏教徒が人口の約30パーセントと多く、特にペナンは華僑が約半数を占めることから仏教の信仰が盛ん。ペナン日蓮宗仏教会の信徒約120人は当初、新興宗教に帰属していたが、その教えに疑問を持ち、平成13年8月、日蓮宗に支援と認知を求めてきた。日蓮宗では翌年2月に職員らを派遣。その後、改宗会・本尊授与式が行われた。今年8月には小幡師に常駐の開教師として辞令が交付されたばかり。

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新年のご挨拶。

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