2023年10月10日号
お会式
第742回日蓮聖人お会式が10月11~13日に東京都大本山池上本門寺で賑やかに開催されます。お会式は日蓮聖人の忌日(10月13日・※弘安5年[1282])に、聖人のご生涯を偲び、「お題目とその教え」という今を生きるエネルギーをいただいたことに感謝する法会です。灯された万灯、力強く振られる纏、賑やかな太鼓や鉦のリズムは、人びとのお題目と出会えた喜びの発露です。
12日の夜に開催される万灯練供養は、台風やコロナ禍で令和元年から3年間中止になっていましたが、昨年に総門から此経難持坂の石段を経て大堂(祖師堂)までと規模を縮小して再開されました。復活した江戸の風物詩を一目見ようと集まった人出は予想を大きく上回る約3万人。お会式に寄せる多くの人の思いを感じさせました。
そして今年は練供養の行程も完全にコロナ前と同様になり、万灯講中が池上の町を練り歩いて池上本門寺を目指します。参加講中は昨年は60にとどまりましたが、今年は100以上の参加が見込まれており、3千人以上が行列に参加する予定になっています。
日蓮聖人のご生涯は幾多の法難や弾圧を乗り越えてきたものです。日蓮宗の歩みもまた困難や試練を乗り越えて今日に至りました。その力となったのは、この世を明るくしようとする私たち日蓮宗徒の使命感と、不撓不屈のエネルギーです。今年のお会式はコロナ禍の不安を乗り越えた喜びに、いっそう盛り上がることでしょう。生きていればさまざまな困難に出会うこともあるでしょう。でもそれを乗り越えようとする力を日蓮聖人は私たちに与えてくださいました。
お会式の完全復活は、まさに法華、そして人間の心意気の表れです。法華のエネルギーを身体で感じ、力をもらいに足を運ばれてはどうでしょうか。いきいき生きるパワフルな万灯講中の人たちの姿に、日蓮聖人が目指された世界が見えてくることでしょう。