日蓮宗新聞

2023年7月1日号

身延山久遠寺開創750年慶讃法要が円成

山梨県総本山身延山久遠寺で6日間にわたって行われていた開創750年慶讃法要が6月18日に円成した。日蓮聖人が、身延山の御草庵に住まわれ始められたのが文永11年(1274)6月17日。「未来際までも心は身延山に住むべくそうろう」と深く山を愛され、法華経の霊山ともおっしゃられた。それから750年の間、歴代法主(住職)や数多の僧侶檀信徒によって日蓮聖人の御廟所がある身延山は護られ、発展してきた。今回の6座の法要には、延べ約650人の僧侶が出仕し、延べ5000人の僧侶檀信徒が参列。聖人以来の歴史に感謝し、これからも祖山(身延山久遠寺)中心の信仰を堅持していくと誓った。
■修法師会連合会約200人出仕の大祈祷
2日目に開かれた全国修法師会連合会の法要では総勢約200人の修法師が大音声の読経と大迫力の木剣での祈祷の音を響かせた。加行所成満会以外では滅多に目にする機会がない大人数での祈祷に参列者は圧倒されながらも敬仰の念で合掌していた。
■半日で法華経二十八品約7万文字を捧げる
一部経読誦会法要は午前10時から開始。全国の一部経読誦会の会員約100人が出仕した。『妙法蓮華経』一部八巻二十八品のすべてを読誦し終えたのは午後4時だった。お経の1字1字を仏さまとしながら、『法華経』の6万9384文字を捧げた。
■霊山身延を称揚する貴重で歴史的な法華講式
全国声明師会連合会法要では、会員約80人が出仕。法華講式による法要が営まれ、霊山身延を称揚した。法華講式は仏教歌謡の1ジャンルで仏や教法、祖師などをいくつかの段に分けて語りごとで讃嘆する声明。講式自体の成り立ちは平安時代まで遡る。日蓮宗では各段の最終部に「首題を唱え礼拝を行ずべし」と「首題」を優位に置くのが特徴。近年では、宗内で営まれたのが平成3年の京都大本山妙顯寺、昭和62年の同本山本法寺での2座だけで、開創750年の慶事にふさわしい貴重かつ歴史的な法要となった。
■身延に脈々と伝承される法式でご正当迎える
ご正当の17日の伝承法要は、山内各支院の住職らが出仕した。梵音具の特徴的な所作や声明など、古来身延山に伝承されてきた延山流で営まれた。途中、身延山高校の生徒8人が華や香などの献供を行い、法要に色彩を加えた。内野日総法主猊下は慶讃文で開創を祝されるとともに、「常に三宝尊敬の心を失わず、大いなる夢を目指して立ち上がり、僧侶檀信徒異体同心で共生共栄を成就する」と誓われた。またお題目を唱えられた後の回向では「立正安国の御教えを尊び、世界の分断をなくして平和を獲得する。貧富の差を消除して万民等しく生命を発揚する。共生共栄の理念を持って持続可能な社会を実現する」と述べられ、「願わくはこの功徳をもって遍く一切に及ぼし、我らと衆生と皆ともに仏道を成ぜん」と締めくくられた。
最後に持田日勇総務が挨拶に立ち、「5月17日に営まれたご入山宗門法要と6日間にわたる法要と諸行事が意味するところは、私たちが不十分であっても日蓮聖人の教えを受け継ぎ、すべての人と共に生き、すべての人の福祉の増進のために一切の差別をなくし、平和の実現のために精進すると誓うことです。身延山も今日から再び身延山の発展と宗門の活性化のために山務員が心1つにして精進していきます」と新たなスタートを切ったと告げた。
■4年ぶりの賑やかなご入山行列で散華舞う
最終日は午前9時から4年ぶりとなる賑やかなご入山行列が総勢約200人によって行われた。うちわ太鼓と大きなお題目を響かせて先導する身延山大学生や身延山で修行をしながら学業に励んだ在院生OBの唱題行脚隊に、万灯講中や奴隊、曽谷教信やお万の方などかつての檀越に扮した時代行列が続いた。僧侶によって散華がまかれると、拾った参拝者は宝物を見つけたような満面の笑みを浮かべていた。終着点の三門では浜島典彦副総務が行列を迎え、日本全国からはもちろん、米国やアジアから来た参拝者に謝意を示した。
■750年ぶりに里帰りしたご本尊
御草庵法要は山内支院住職らとともに唱題行脚に参加した在院生OBが出仕した。正面には日蓮聖人が御草庵に住まわれ始めてから約1ヵ月後に図された「曼荼羅ご本尊」(ご真蹟/千葉県本山藻原寺蔵)が奉安された。法要が営まれたその場所でご染筆されたご本尊が750年の時を経て里帰りした。法要で唱えられた法華経とお題目は、静かな山のなかにある御廟所域にこだましながら染み込んでいった。参列の代表者が焼香を終えると、女優の若村麻由美さんがご宝前に立ち『身延山御書』など身延山について書かれたご遺文の各箇所を拝読した。凛とした声で、身延山に心を寄せられた日蓮聖人の想いを現在に映し出した。
12日の記念コンサートから始まった開創750年行事の1週間には大勢の参拝者が身延山に訪れ、門前町から本堂域まで賑わいを見せた。今後も日蓮聖人はもちろん、釈尊にまで見えられる身延山に、たくさんの人びとが登詣する歴史が続いていく物語の新章となった。

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新年のご挨拶。

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