2022年3月1日号
第801回 日蓮聖人降誕会
千葉県鴨川市大本山誕生寺で2月16日に第801回日蓮聖人降誕会が営まれた。当初の計画では、誕生寺での降誕800年事業の円成式典も兼ねて行われる予定だったが、新型コロナウイルス・オミクロン株の流行により規模を縮小して開かれた。また毎年行われている日蓮聖人のご両親が祀られる両親閣妙蓮寺からのご幼像輿渡御練行列も中止となった。
石川日命貫首を導師に営まれた法要では、8人の式衆が降誕を寿ぐ雅楽の音を祖師堂に響かせた。自我偈の読経中には参列した檀信徒がご宝前に安置されたご幼像を拝しながら焼香を手向けた。石川貫首は回向文で次の節目となる第850回降誕会への第1歩として日蓮聖人のご威光をいただきながら、お題目の浄行に精進することを誓願し、一天四海皆帰妙法の実現と、新型コロナウイルスの収束を願った。
誕生寺では降誕800年の事業として寺務所・多目的研修室などを有した「布教殿堂」の建設や祖師堂の屋根瓦葺き替え工事を行ってきた。「布教殿堂」は、平成18年に完成した建物で、大きな屋根や窓からの採光の工夫、障がい者用トイレとエレベーターなど誰でも使えるようにバリアフリー化されていることが特徴。屋根瓦の葺き替えは平成27年の台風により世界有数の大きさを誇る鬼瓦が崩落したため、屋根全体の大修理が行われた。誕生寺の鬼瓦は高さ4㍍、重さ約2・8㌧、畳21畳分という大きさ。
また今回の事業完成奉告に合わせて寺報「こみなと」で連載していた石川貫首の『お題目への道』が書籍化され、記念品として参列者に配られた。『お題目への道』は99回分の原稿が掲載され、第100回は読者の手で完結してほしいと石川貫首は語っている。誕生寺では、来年に第2回となる宗派を超えたイベント「お題目サミット」を開きたいとしている。
