2021年4月10日号
日蓮宗宗立谷中学寮50年の歴史に幕
3月24日に閉寮となった東京都台東区の日蓮宗宗立谷中学寮(浄延院内)の卒寮式が同日に行われた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、令和2年度に寮生活をすることができなかった卒寮生13人は久々の再会を喜ぶとともに互いに活躍することを誓い合い、それぞれの布教のステージに向けて走り始めた。
式は栗原啓允教務部長が導師を務め営まれ、また修了証の授与も行った。栗原教務部長は卒寮生に向けて「研鑽を積み何か1つでも特色を身に着け、僧侶としての自らを世に問うてほしい」と訓辞した。また隣接する本山瑞輪寺の井上日修貫首が祝辞に立ち、「学寮がなくなることは寂しいが、皆さんは伝統ある谷中学寮の有終の美を飾って巣立つ。10年後の日蓮聖人第750遠忌では中核となって活躍していることを期待しています」と激励した。また寮生と苦楽をともにしてきた菅野龍清寮監が挨拶に立ち、「自身を厳しい環境においてください。もう少しやってみようという気持ちと行動が自分を大きく成長させてくれます」と寮生に最後の教えを説いた。
堀之内学寮で2年間、谷中学寮で2年間、僧侶としての研鑽を積んできた学寮長の吉荒大祐さん(大学4年)は、「コロナのため、最後の1年はOBの方々が続けてきた伝統を行うことができなかった」と悔しさをにじませるも、「堀之内で基礎を徹底的に学び、続いての谷中で実践ができた」と充実した日々だったことも語った。
記念撮影では緊張が溶け、学寮を修了したという誇りに加え、学生らしい笑顔を見せていた。