2018年5月1日号
日蓮聖人降誕八百年中四国教区大会開く
日蓮聖人降誕八百年の中四国教区大会が4月3日、岡山県倉敷市民会館で開かれた。内野日総管長猊下を大導師にお迎えした慶讃大法要には宗門の将来を担う子弟も参加し、中国・四国地方からバス約50台で集まった僧侶檀信徒約2千人とともに、日蓮聖人が目指された立正安国の世の中を実現する誓いを新たにした。
会場入り口に安置された日蓮聖人のご降誕の聖地・千葉県大本山誕生寺の日蓮聖人ご幼像前で、岡山管区寺院による万灯講中がお囃子を鳴らしながら、賑々しく纏を振り、参加者を迎えた。ご幼像は誕生寺が降誕八百年に向けて新たに造立・開眼したもので、教区大会では初の出開帳となった。ほか実行委員会では、参加者がこれまでに経験したことのない大会を開催し、八百年の記念を心に植え付けてもらいたいと、レーザーや映像を多用した演出のなか、コーラスや唱題行、和讃、講談「日蓮聖人御一代記」が行われ、日蓮聖人降誕の奇跡を感じる時間となった。
法要では、小学校2年生から中学2年生までの11人の宗門子弟が夏から練習を積んだという日蓮聖人ご幼像の遷座や祭文の奉読、献灯、散華、献茶、そして唱題でのお題目の第1声と諸役で活躍した。途中、ご入滅間際の日蓮聖人が幼き経一丸(後の日像上人)を呼び、頭を撫でられながら帝都(当時天皇がいた京都)でのお題目の流布を託されたという故事に習い、内野管長猊下が子弟1人ひとりの頭を撫でられ、宗門の未来を託された。
内野管長猊下は、ご親教で備前法華をはじめとする信仰の深さを讃えられるとともに絶えることのない世界の戦火について述べられ、原爆を落とされた広島がある中四国教区内の日蓮宗徒が平和へ向かって果たさなければならない役割の大きさを語られた。
高知県檀信徒協議会長の氏次邦臣さん(81)は「身延山にお参りしたいが、体の自由がきかないため、内野猊下のご親教はありがたい。今日の日を信仰の新しい日にしたい」と述べ、宗徒の自覚を深める日となった。
法要後、ご幼像遷座の大役を果たした守本雅貴さん(中2・岡山県法龍寺子弟)は「大事なご幼像でしたので持つだけで緊張しましたが、誰でもできることではないので良い経験になりました」とほっとした表情をのぞかせた。
