2018年1月1日号
平成30年戊戌・あけましておめでとうございます。
あけましておめでとうございます。
平成30年戊戌の1年が始まりました。年号が平成になってから早30年目を迎えることで、なにか特別な思いをいだかれる人も多いのではないでしょうか。光陰矢のごとし。こうしている間にも時が流れ、今という時が次から次へと過去になっていきます。その「今」をどう生きるかを、法華経を通してお説きになったのが日蓮聖人だったのです。
約800年前の鎌倉時代は、今よりもっともっと人が生きていくのに厳しい時代でした。そして多くの人が「今」に絶望していました。そんな中にあった日蓮聖人は、1人ひとりが誰ものいのちを大切にし、「今」をしっかり生きることで絶望のない安穏な(安らかな)世の中(国)が築かれるのだとお説きになられたのです。日蓮聖人がお書きになられたた『立正安国論』の「立正安国」とは、まさにそういうことであり、これが日蓮宗が弘める「合掌」のこころと目的です。
日蓮聖人ご在世の鎌倉時代から見れば、私たちの生きる「今」は遠い未来になります。鎌倉時代から平成の世の中へ。この間には、日蓮聖人のみ教えに希望を見いだしてしっかり生きてきたたくさんの僧侶や檀信徒がいました。わたしたちが生きる指針として大切にしている日蓮聖人のみ教えは、鎌倉時代にはじまりこうした人から人へとつながれてきたものなのです。
「過去」より安穏な「今」へ、「今」よりもっと安穏な「未来」へ。時の流れの中にあって、このみ教えを次の世代、その次の世代へとつないできたのは、その時代その時代の「今」を懸命に生き抜いてきた人たちでした。
振り向けば過去からの道が見えてきます。同じように前に目を向ければ、今度は未来への道が見えてきます。日蓮聖人のみ教えを次の未来へ。先人にならい、このバトンをリレーしていくのが、わたしたちの尊い使命なのです。
