2017年6月10日号
降誕八百年・アジア国際布教拠点記念大会
日蓮聖人降誕八百年・アジア国際布教拠点記念大会が5月21日、マレーシアのペナン島北西にあるベイビュービーチリゾートホテルで開催された。内野日総管長猊下(総本山身延山久遠寺法主)を大導師に迎え営まれた慶讃法要には、東南アジアの各布教拠点の信徒をはじめ、日本からの参加者含め約400人が参列した。国や民族を越えて降誕の慶びをお題目で1つにした八百年初の記念大会は意義深く、感動の慶讃行事となった。
今回の法要には東南アジアからは、ペナン一念寺を含めるマレーシアの布教拠点3ヵ所、シンガポール題目寺、ジャカルタ蓮華寺のほか、スリランカや台湾などの信徒が参加し、慶事を祝った。また一念寺の信徒の子どもらが供養香華、大人が献灯で法要に参加するなど、国際色豊かな華を咲かせた。
法要前には、日本からの有志檀信徒らが「宗祖降誕八百年慶讃和讃」を奉詠し、東南アジアの信徒へ日蓮宗の文化を紹介する形となった。また松井大英伝道部長が、英語で説明しながらの唱題行が行われ、少しの明かりが灯る会場にお題目が響きわたった。
参列者が恭しく合掌するなか、内野管長猊下が入堂され、始まった法要には国際布教師の伊藤悠温一念寺主任やエルフィナ妙布蓮華寺主任、大島啓慈題目寺主任をはじめ、僧侶約40人が出仕した。内野管長は慶讃文で降誕をお祝いされ、「日蓮聖人が示された異体同心のお教えをもって立正安国、皆帰妙法のご遺命に応え、世界平和、人類の幸福を祈念し奉る」と述べられると、参列者は改めて祖願への誓いの心を1つにするため日蓮聖人ご遺文『異体同心事』の一節を英語で奉唱した。
内野管長猊下は御経頂戴に続くご親教で、信仰篤く活気ある東南アジアの信徒を「まさに地涌の菩薩」と讃えられるとともに、昨年10月に身延山への参拝の折に見せた祖山へのまっすぐな心に感激したことを伝えられた。また今回の法要が「国、人種を越えて世界に広めるべき異体同心の教えの表れ」と喜ばれ、「日本、マレーシア、アジア、世界に久遠の平和を続けることを、尊き仏縁でご参列いただいた皆さまとともにご祈念申し上げます」と閉じられた。
謝辞では伊藤主任が「戦後の東南アジア開教の歴史はまだ15年ですが、言葉や民族、文化の違いを超え、共に力を合わせ今日まできました。今も勢いは衰えません。まさに異体同心の精神があれば、あらゆることを成し遂げられると強く確信させるものです。誰もが安穏でいられる世界を作るため、この結束で東南アジア海外布教拠点はますます発展していくでしょう」と述べた。