日蓮宗新聞

2017年2月10日号

万灯講で地域を活性・檀信徒青年リーダー研修

リーダー研修③日蓮宗宗務院主催の檀信徒青年リーダー研修が1月28、29日に福岡市日蓮聖人銅像護持教会(渡邉正順主管)で開催され、全国から18人の檀信徒が参加した。同研修は寺院の活動をサポートする人材育成を目的に毎年開かれ、今年は万灯講を通じた寺院や地域の活性化の方法を模索した。
活動事例の成功報告として長崎県国昌寺住職の作元巧照師が、よさこいチーム作りなどをきっかけに若い世代の人たちがお寺へ足をはこぶきっかけになったことを説明。過去行われた過疎寺院活性化会議での「お寺の未来戦略マップ」の作成が転機となり、寺院や地域の弱みと強みを把握したことが、具体的な行動につなったと語った。また参加者へ向けて、行事を通じて子どもに手を合わせることを教えるなど、青少年教育や道徳心の育成にも携わり、お寺と人びととの架け橋となるリーダーとなることを期待した。
続いて万灯講での活性化について、千葉県正福寺の田中貞真師が行った。田中師は約20年前の万灯講結成時を振り返り、物干し竿の先端に箱を取り付け造花を飾った大人用の万灯やビニール傘に提灯や花をつけた子ども用の万灯を手作りしたことを紹介し、「あとはお寺のうちわ太鼓があれば費用はかからない」と手軽さをアピールした。2日目には、太鼓をたたき、節の違いなどを参加者に実演し、「節の基本である八木節に各地区にあるお囃子や民謡をアレンジすれば、地域の特色あるお囃子ができる。ぜひ、各地でやってみてほしい」と話した。
今回、長崎からの参加者は、「地元には万灯講の文化がないため、やってみたい」と可能性を感じた様子を見せたほか、「ゼロからの講の結成の仕方を教える講師派遣などの体制を整えてほしい」との要望もでた。また信徒青年会自体の人手不足の問題を挙げる参加者が多く、「世間につながりのある住職・僧侶の声がけが必要不可欠」と話す参加者も。講義内容では、寺院や地域の活性化につながった成功例の多くが、住職を中心に熱意をもって働きかけ、お寺を開放し、僧侶檀信徒が一体となる目的をもって賛同者を増やしているという共通点が見られ、成功した寺院も当初は危機感を持ち、行動を起こしたからこそ、今につながっていることを示していた。

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