2016年5月1日号
熊本地震・広範囲で被害
多くの犠牲者と甚大な被害を出した熊本県熊本地方を震源とする4月14日から断続的に発生した地震で、熊本県を中心に日蓮宗寺院も被災した。震源地近くの益城町日眞寺(澤村顕一住職)では、檀信徒2人が犠牲となった。東京都日蓮宗宗務院の災害対策本部(本部長=小林順光宗務総長)は「平成28年熊本地震」を大規模災害に指定。被災寺院の情報収集を行っている。
本部では、25日現在44ヵ寺の被災を把握しているが、とくに被害が大きかった熊本県内には日蓮宗寺院教会結社が108ヵ寺あるため、寺院や檀信徒の被災報告が増える可能性が高い。日蓮宗僧侶寺族の人的被害や本堂が倒壊したという情報は入っていないが、熊本市妙立寺(三坂恵祐住職)の山門が倒壊するなど大きな被害がでているほか、同市妙永寺本堂が専門家から危険性を指摘されたため、有戸光義住職は建て直しを考えている。
また本部は15日に支援物資を被災地に届けることを決め、16日に熊本県宗務所災害対策支部(支部長=濵田義正所長)から要望があったブルーシート30枚、飲料水約1・3㌧、医療品を発送。福岡県宗務所を経由して被災地に届けられた。本部はほか、義援金勧募のための勧募箱などを全国の寺院教会結社に配布することを決めた。