2016年3月20日号
第110定期宗会開く
日蓮宗の最高議決機関・第110定期宗会が、3月8日から11日まで東京都大田区日蓮宗宗務院で開かれた。宗会議員定数の45人が出席し、来年度の予算ほか日蓮宗宗制の規程改正案や制定案が慎重審議された。
今回提出された議案は宗務総長提出の教育規程や修法規程、福祉共済規程の改正案のほか、鎌倉布教拠点建設検討委員会規程制定案など。福祉共済規程では災害見舞金査定基準が現行の「本堂・庫裡」に「諸堂」が加わり、「全焼又は全壊」「半焼又は半壊」に「大規模半焼又は大規模半壊」「一部損壊」までを広げる案などで、より被災規模に則した見舞金の給付が可能になる。同検討委員会規程制定案は、平成21年の第98臨時宗会で購入が決定した鎌倉辻説法跡隣接地に建設される予定の布教拠点の運用を検討するための委員会を設置する内容。同23年の第102定期宗会で建設特別会計が決定したが、宗会最終日の3月11日に発生した東日本大震災への対応に集中するため、計画が保留となっていた。これらの議案は宗会最終日に全て原案可決された。
また今宗会中に、不活動法人の整理に対応するための過疎地域寺院に関する規程の改正案などが議員から発議されたが、当該委員会が「時間をかけて議論を要する内容」などとの見解を示し、原案否決・審議未了となった。
最終日には「教育制度改革のための特別委員会」などの設置を求めた建議案が出されたが、すべて不採択となった。
