2016年3月1日号
日蓮宗加行所成満会
千葉県市川市大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)に開設されていた日蓮宗加行所(伝主=新井貫首・工藤堯幸伝師)の成満会が2月10日に営まれた。昨年11月1日の入行会から壱百日ぶりに姿を見せた134人の加行僧は相伝した秘法である修法を行い、立正安国を目指す誓いを表した。
同日未明、娑婆と修行場の境「瑞門」が開かれるのを待っていた福井県から来た梅木隆治さん(78・南越前町妙泰寺檀徒)は、初行で修行していた三井法泰師(同寺内)に対し、「信仰篤い人が多い私の住む地域で、若い人たちの道を引き妙泰寺へと導いてもらうことで、信仰をつないでもらいたい」と期待した。
式では、修行の証「許証」の授与が行われた後、小林順光宗務総長が初行僧へ日蓮宗の修法師辞令を交付し、祖願達成の原動力となることを願った。また工藤伝師は「上求菩提下化衆生のために修法道に邁進を」と述べ、日蓮宗の発展に寄与することを祈念した。
東日本大震災での福島原子力発電所事故で故郷を追われた双葉町妙勝寺の再行・瀬戸隆寿師は「震災後入った初行は、自分のための修行だったが、再行を終えてやっと復興へのスタートラインに立てたのかなと思う。私が先頭に立ってお寺の復興を本気で目指している姿を檀信徒に見せたい。離ればなれになった檀信徒をつなぎ、また新たな法華経信徒を導き、新しいお寺を建立することが目標」と前を向いた。
