2016年1月20日号
身延山久遠寺で御年頭会
山梨県総本山身延山久遠寺(内野日総法主)で、今年初めての日蓮聖人の月命日にあたる1月13日に御年頭会法要が営まれ、約450人が参列した。導師を務められた内野法主猊下は、日蓮聖人のみ魂に報恩感謝を捧げるとともに、誰もが安穏に暮らせる「立正安国」を目指すことを誓われた。
御年頭会は、日蓮聖人が身延山に入られた翌年の建治元年(1275)に、久遠寺開基の波木井実長公らがご草庵を訪れ、新年の賀詞を申し述べた後、法要を営んだことに由来する。法要後、波木井邸で実長公の先祖供養に続き歓待を受けられた日蓮聖人は、ことのほかお喜びになられたと伝えられる。また馬に跨られ波木井邸に向かわれたという故事から、御年頭会では曳馬式が行われ、内野法主猊下が馬に人参を与えられ、愛でられながら「がんばれよ、がんばれよ」と優しく声をかけられた。
祝宴会では、小林順光宗務総長や静岡県本山妙法華寺の小池日恩貫首らが、自然災害やテロなどの激動の時代に世界立正平和を推進し、行動することが重要と述べた。続いて小林総長と六老門跡寺院との御盃の儀をされた内野法主猊下が、年頭に日蓮聖人が大切にされた教え「四恩報謝」の4字を認められたことを述べられ、生きとし生けるものの一切衆生・父母・恵みを与えてくれる国や国土・三宝の4つの恩を知り、報いなければならないとし、「この世に生を受けてからさまざまな人との出会いを通じて私たちは生かされてきました。法華経の真髄は四恩報謝によって叶えられていくのであります」と訓辞された。また「時代の変化は一人ひとりの信念ある行動を求めている。信仰を基とした価値ある一年を過ごさなければなりません」と挨拶された。