2015年3月1日号
檀信徒青年リーダー研修開く
檀信徒青年リーダー研修が2月7、8日に東京都大田区の日蓮宗宗務院で開催され、全国から31人の檀信徒が参加した。この研修会は、住職を補佐して寺院の諸活動をサポートする人材育成を目的に毎年開催される。今回は「地域とお寺と私」をテーマに、菩提寺の活性化を通して地域活性につなげる道筋を模索した。
第1講では日蓮宗過疎地域寺院活性化検討委員の山下義孝師が、2日間の研修のテーマに沿って日本の過疎と人口減少社会を解説した。過疎の特徴や過疎化の原因・プロセスを解説し、それによって引き起こる地域コミュニティの崩壊に言及。寺院が地域社会に開かれた取り組みをすることで、寺院・過疎地域ともどもの活性化を生み、さらには地域コミュニティ再生の核となる可能性を示唆した。
第2講は徳島県神山町で「人」をコンテンツにした創造地域づくりに取り組み、大きな成果をあげたNPO法人グリーンバレーの理事長・大南信也氏が「神山プロジェクト~創造的過疎から考える地域の未来」と銘打って講演。第一次産業に頼らず、多様なビジネスの招致に成功した神山町の実例を紹介した。また、アイデアキラーという表現で斬新な考えを否定する動きを批判。「前例がないということは、時代の歯車を回すチャンスととらえよう」と話し、青年リーダーの斬新な発想に期待を寄せた。
その後、参加者を6班に分け、「地域社会を知るためのワークショップ」を開催し、過疎地の寺院の可能性を探った。宮崎県都農町に檀家60軒の法華寺(仮名)を想定し、同寺を舞台に何ができるかを討議するもので、都農町の産業構造や数字的なデータをもとに、地域と寺の強みと弱みを付箋を使って分析した。翌2日目は、各班が分析した強みと弱みを前提に、地域を巻き込んだ法華寺を舞台にしたイベントを企画し、班ごとに発表を行った。グループの一つは法華寺の住職が日蓮宗加行所成満の修法師という設定を活かして「ちからわく星まつり」を提案。地元の学校のクラブ活動を発表する場や都農町の農漁業の特産物(ワイン・金フグ丼など)をPRすることを兼ねることで、檀家の枠組みを越え地域ぐるみのイベントを目指すと提案し、実行委員会を寺院や地域を担う次世代育成の場にしたいと思い述べた