2014年12月10日号
宗門史跡花房蓮華寺30周年
小松原法難ゆかりの宗門史跡・千葉県鴨川市花房蓮華寺(原日透主任=同市本山鏡忍寺貫首)が開堂30周年を迎え、記念法要と宗祖第733遠忌御報恩会式法要が11月20日に営まれた。お会式桜に彩られた堂内で、導師の小林順光宗務総長が僧侶信徒の30年にわたる護持顕彰の法労を讃え、宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」の興隆を奉告文で誓った。昨年の日蓮聖人が遭われた小松原法難750年に続き、参列者は、改めて護持顕彰を誓うお題目を捧げた。
日蓮聖人は文永元年(1264)、母の見舞いに故郷の安房国を訪れられていた折り、日蓮聖人に恨みをいだいていた地頭の東条景信率いる集団に襲われ、九死に一生を得られた。そのときに、逃れられ受けた傷を癒されたのが同地にあった蓮華寺と伝わっている。また法難後、蓮華寺に見舞いにきた師の道善房に法華経への帰依を諫言された場所でもある。道善房は数年後に法華経へ帰依。日蓮聖人は「いますでに日蓮。師の恩に報ず」と喜ばれた。同地は、宗門が日蓮聖人700遠忌の報恩事業として本堂と庫裡を整備。また同市大本山誕生寺に恪護されていた祖師像を修復・遷座し、昭和59年の同日、当時の金子日威管長を導師に落慶法要が営まれた。
法要後、原主任は「落慶当時から比べると整備は進みましたが、まだまだ足りません。30年が経ちましたが、そういう意味ではまだまだ進んでいかなければなりません」と改めて覚悟を示した。また参列者の一人は「祖母の代から地域の寺院の檀信徒が集まって、みんなでここまで蓮華寺を支えてくることができました。今後も自分たちができることを行っていくことで報恩感謝を捧げたい」と語った。
