2014年11月10日号
寒壱百日への覚悟の読経響く
千葉県市川市の大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)に11月1日、修法の秘法を授かるための日蓮宗加行所(新井貫首=伝主・工藤堯幸伝師)が開設され、初めて「行」を積む僧侶から5回以上「行」を積んだ僧侶あわせて144人が入行した。小雨が降るなか、午前9時半から営まれた入行会では、修行僧が来年2月10日までの寒壱百日の苦修錬行をご宝前に奉告する読経を堂内に響かせた。
3回目の修行に挑む米国ハワイ州ヒロ教会の菅原法正担任は、「ヒロ教会は来年に教会堂の完成から50周年を迎える。この節目に米国での布教にさらなる弾みをつけるために入行を決意した。自分たちが幸せならばそれでいいという意識が強い米国社会へ法華経を弘めることで、新たなる価値観を伝え、世界平和につながる行動をともにするメンバー(信徒)を育てたい」と語り、行僧はそれぞれの思いを胸に、厳しい修行の結界に歩を進めた。
小林順光宗務総長は挨拶で「この深い縁をしっかりと感じて修行してほしい」と述べ、新井貫首もまた「心を一つに」と行僧に訓示した。これらの訓示は厳しい修行に立ち向かう個々の思いを、祖願達成に向かう全員の力に変えていかなければならないということだ。工藤伝師は「この修行は命をかけるほど厳しいが、素晴らしい縁と経力を与えてくれる。だから壱百日間、私についてきてください」と修行の先に得られる力を語ると、行僧はこれに力強く返答した。