2014年6月1日号
いのりんぴっくin能登開催
石川県羽咋市滝谷本山妙成寺(藤井日恵貫首)で5月6日、第10回五重塔まつりの開催にあわせて祈りの祭典「いのりんぴっくin能登」と檀信徒研修「祈りの集い」が五重塔まつり実行委員会や石川県第2部宗務所などの主催で開かれ、1000人以上の檀信徒・一般参詣者で賑わった。
現在、妙成寺では加賀藩三代藩主前田利常公の生母・寿福院の発願で元和4年(1618)に建立された五重塔を国宝に昇格させるための運動が行われており、宗務所では管区や檀信徒ともにこの機運を高め、また五重塔まつりに参加する一般の人に妙成寺を通して日蓮宗を知ってもらうためいのりんぴっくを同時開催した。
開会式では、五重塔前で法要を営んた。北陸や京都を弘教した日像上人が洋上の船から唱えたお題目が波に揺られために節のように聞こえたことに由来し、約700年の間、口伝で繋がれてきた高題目が奉詠され東日本大震災や世界平和への祈りが捧げられた。
本堂では、「国宝に最も近い法華伽藍」と題して金沢学院大学美術文化学部の東四柳史明教授が講演し、「加賀百万石文化は、江戸近世で最も栄えた寛永文化のこと。その集大成とも言えるのものは、金沢にあるのではなく、この五重塔などの伽藍を有する滝谷の妙成寺である」と述べた。
また能楽や小唄・笛、能登に伝わる祭り太鼓などの芸能が披露され、地域内外の参詣者が伝統に触れる機会となった。最後には妙成寺の貫首が晋山するときだけに行われる独特の掛け声で練り歩く奴行列が再現された。
宗務所では、「妙成寺の五重塔が国宝になれば、同寺周辺の環境に対する考え方も変わるはず。能登から環境や平和、いのちを大切にすることを檀信徒や地域の人たちと全員で広げていければいい」と語っている。