2014年3月20日号
宗門機構検討委員会規程が制定
宗門の立法や宗務に関する議決機関の第108定期宗会が3月4日から7日まで東京都大田区の日蓮宗宗務院で開催された。宗会議員定員の45人が出席し、小林順光宗務総長が提出した規程制定・改正案や予算案などについて慎重審議が行われた。
開会式では内野日総管長猊下(総本山身延山久遠寺法主)が教旨で、4月から宗門運動〝立正安国・お題目結縁運動〟第2期育成活動の総括年度を迎えることについて述べられ、「第3期開花活動、第4期結実活動、そして平成33年の宗祖御降誕800年を実りあるものとするためにも、宗会議員に課せられた責務は誠に大なるもの」と宗会の使命を全うすることを期待された。
本会議では、小林総長が施政方針挨拶を行った。小林総長は祖山中心の信仰を持ち、祖願の立正安国・四海帰妙の達成に向けて、ご降誕800年に向けて内局一同、不惜身命で取り組むことを誓った。また合掌礼の普及を推進するため、平成26年度の布教方針を「合掌~檀信徒のくらしの中に根づかせる」と定めたことや、2月に開かれた宗門運動本部企画推進会議で800年事業案として慶讃法要、記念大会、運動推進事業と特別布教への助成、宗門財産・施設の整備、祖山霊跡由緒寺院と宗門史跡の顕彰、広報・文化事業の推進、布教拠点確保援助の充実、災害などの宗内危機管理に対応する事業への助成、各種出版事業、その他目的を達成するための事業の10項目が承認されたことを報告した。さらに北米で布教が始まってから今年で100年を迎えるため、この記念法要をご降誕800年の最初の事業として行うことを報告した。ほかに日蓮宗が昭和34年から行っている東京千鳥ヶ淵戦没者墓苑での追善供養にくわえ、9月に広島で原爆犠牲者慰霊法要を営み、平和活動を推進していくことや、東日本大震災への支援の継続、高齢化社会と地縁の希薄化からコミュニティの社会を再生するための「シルバーてらこや」(仮称)を寺院に普及させるための諮問などについて述べた。
提出議案の所管説明では、小林正雄宗務総長室長が議案の一つ「宗門機構検討委員会規程制定案」について述べた。小林室長は、「平成14年に実施された宗門の機構改革は、実動部門としての伝道機能の一本化、宗務執行のために管理部門のスリム化、官房機能の宗務総長室の設置などで、高い評価を受けてきた。一方、19年に宗門運動が宗憲に謳われ、宗門運動本部や本部企画会議の設置により従来の伝道企画会議の位置づけが不明確となってきた。ご降誕800年を迎えるにあたり、伝道宗門の新たなる機構を検討し形成していかなければならない」と語った。
また同議案の小林総長に対する代表質問でも、宗政会派同心会の吉田見悠会長が「宗憲に基づき宗務総長のリーダーシップのもと、管理部門と実働部門が総合的に機能し、宗内外の状況を把握し、政策立案と宗務執行がなされなければならない」と立法・司法・行政にわたって機構の検討を要する必要があると述べた。同明和会の塩田義徹会長は「宗門機構の検討は定期的になされるべきで、反対するものではない」と前向きな姿勢を示した。
同議案は総務委員会に付託され、慎重に議論。「変化する社会への対応として必要」とまとめられ、本会議で同委員会松永慈弘委員長から報告され、原案可決された。
閉会式では小林総長が、3月11日の東日本大震災の日に向けて、犠牲者供養のためのお題目を宗会議員とともに唱えた。