2014年2月20日号
加行所・寒壱百日の成満迎える
千葉県市川市大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)に開設されている日蓮宗加行所(新井貫首伝主・工藤堯幸伝師)加行僧102師が、2月10日に寒壱百日間の苦修錬行を終えた。同日未明、娑婆と結界修行場を隔てる「瑞門」が開かれると、加行が列を組み門をくぐり、迎えた約600人の檀信徒に修行で引き締まった顔を見せた。
祖師堂で行われた成満会では、加行僧の力強い読経の後、新井伝主から修行の証「許証」が授与された。また初めて加行所に入った僧侶34師を小林順光宗務総長が、修法師に任命し、辞令を交付した。小林総長は「本宗独自の布教である修法を祖願である一天四海 皆帰妙法の原動力の一つとし、檀信徒のみならず、未信徒への教化を行い、宗門運動『立正安国・お題目結縁運動』に一層邁進してほしい」と挨拶した。続いて工藤伝師は「昨年11月1日にお預かりした加行僧102人の大事な命と心を檀信徒のみなさまにお返しいたします。上求菩提 下化衆生(菩提=悟りの境地を求めながらも、衆生を救済すること)を忘れないで、修法布教を進めていただくことを願います」と激励した。最後に修行で得た福徳力を分け与えるために、迎えた檀信徒に向かい成満後初の大衆法楽加持を行った。
初行を成満した佐賀県大乗寺内の伊東智瑩師は「100日間、水をかぶり、お経を唱えてきましたが、地位や名誉を捨て自身をゼロにすることが何よりいい修行になりました。今の気持ちを忘れずに、教化していくことが私の使命だと思います」と抱負を語った。
初行の豊田英証師(愛知県法華寺内)を迎えにきた檀信徒・高橋千秋さん(48)は「修行を終えて瑞門を出てきたとき、過酷な修行だったことが伺え、感動を覚えました。お寺に行くといつも清々しい気持ちにさせてくれますが、さらに厳しい修行をしたお上人のお経がいただけることはありがたいことです」と述べ、成満を喜んだ。