日蓮宗新聞
2012年12月1日号
いのりんぴっく in 頂妙寺 開催 祈りを京都から発信
「環境・平和・いのち」の大切さを考える祈りの祭典・いのりんぴっく(京都府第一部宗務所主催)が、11月23日に京都市本山頂妙寺(安藤日瑛貫首)で開催された。さまざまなイベントを通し、約1,500人の参加者が東日本大震災などへの祈りを捧げた。
「鎌倉時代」をコンセプトの今イベントでは、スタッフや約50団体の出店者らが時代劇の衣装に身を包み、杉皮屋根の趣のある休憩所などが用意された。この企画は日蓮聖人が人びとを救うために『立正安国論』をお書きになられた時代と現代の世相を重ね、参加者に祈りの大切さを感じてもらうねらいがある。
イベントは、震災被災地の流木で作られたヴァイオリンの演奏会や震災犠牲者供養の写経と唱題行、落語家露の団姫さんの法華経落語、紙芝居や子ども向けのゲームなどが行われた。また境内の一画では、日蓮聖人が『立正安国論』の筆を取られる経緯を再現した映画の撮影も。さらに同寺の周辺の塔中寺院も会場となり、仏像や絵画の展示、お茶席、お香の組み合わせを当てる香道などが開かれた。会場各所で随時イベントが行われるいのりんぴっくは参加者の祈りと笑顔に包まれた。ヴァイオリンの演奏を聞いた参加者の一人は「美しい音色には、自分のことだけ考えていればいいという考えは捨て、日本という国のために協力していかなければいけないというメッセージが込められている気がします」と語った。
最後には震災犠牲者追善の塔婆が約100本建立され、渡邊照敏宗務総長を導師にいのりんぴっく音楽大法要が営まれた。雅楽の調べに堂内が包まれる中、参列者は犠牲者の冥福と被災地の早期復興を祈った。