2012年5月10日号
東北教区主催・東日本大震災一周忌法要
全国の祈りが東北の地へ
東北教区は兵賀栄真教区長を導師に東日本大震災犠牲者諸霊位一周忌と復興祈願法要を四月二十一日、岩手県遠野市法華寺(阿部是秀住職=同県宗務所長)で営んだ。参列者の一人は「3・11に全国で営まれた追悼法要での祈りを集め、この東北の地で解き放ちたい」と述べ、全員で慰霊の誠を捧げた。
「被災地のがれき処理が終わらないと、復興への町づくりを始めることができない」。法要に参列した山形県檀信徒協議会会長は災害廃棄物の広域処理受け入れを表明する自治体が少ないことに落胆した。
東日本大震災から一年以上が経った今も被災地には、山のように災害廃棄物が積み上げられ、復興の足かせとなっている。現在、被災地では仮焼却施設を増設、また東京、山形、青森の三都県が廃棄物の受け入れを実施しているが、まだまだ処理能力は不足している。
佐伯会長は「3・11に“絆”という言葉のもと、人道支援や義援金など日本中から被災地へ勇気を与えてくれてありがたかった。でも“絆”が本当のものかどうか試されるのはこれからでは」と言う。また宮城県の日野教恵宗務所長は「助け合うという心が浸透して初めて本当の絆が生まれる」と述べ、宗門運動を推し進め仏の心を育てることが復興につながると語った。