2012年5月1日号
うきは市本佛寺信徒会館“励光閣”落慶法要
困難乗り越え信徒会館「励光閣」落慶
福岡県うきは市本佛寺(佐野前延住職)で信徒会館“励光閣”の落慶法要が、4月14日に営まれた。建設途中に発注した業者が倒産するなどの難を乗り越え、檀信徒1000人が喜びの笑顔を見せた。
新築された信徒会館はバリアフリー化された木造2階建て、1階に百畳間の大講堂、2階に寺宝館を備える。“励光閣”の名称は、明治時代に日蓮宗の宗務総監(今の宗務総長)を務めた同寺第5世佐野前励上人と第7世佐野前光上人にちなんだもの。前励上人は明治の激動する社会に合わせて宗門の組織改革を提唱、宗務総監時代には朝鮮布教・北海道法華村の開設・非行青年教育のための東京感化院経営など当時閉鎖的だった仏教界の社会事業進出に尽力した。特に博多東公園の日蓮聖人銅像の建立は、宗門に対社会的な活力を与える事業となり、今も多くの市民から「銅像さん」の呼び名で親しまれている。昨年は前励上人壱百遠忌にあたり、記念事業として6年の歳月をかけ、今回の励光閣建立などが計画されてきた。
当日は稚児100人が行列やご宝前に花を供えるなど慶事を彩り、総代、世話人らに感謝状が贈られた。佐野住職は「完成までには苦しい時もあったが、私たちは信仰の力で乗り越えることができた。今の時代も困難なことが多いが、信仰は必ず乗り切る力を与えてくれる」と謝辞。また同寺西身延青年会副会長は「地域の誇り。これからも一緒に本佛寺の歴史を刻んでいきたい」と胸を張った。