2012年3月1日号
「東日本大震災犠牲者一周忌慰霊法要」を厳修
追悼と早期復興を祈念
総本山身延山久遠寺(内野日総法主)仏殿で2月21日、「東日本大震災犠牲者一周忌慰霊法要」が厳修され約500人が参列した。大導師は内野法主猊下が務め、副導師は久遠寺の井上瑞雄総務と被災3県の宗務所長の阿部是秀師(岩手)、日野教恵師(宮城)、小林智英師(福島)が務め、震災犠牲者の冥福を祈った。
横内正明山梨県知事の追悼之詞に続き、井上総務が久遠寺を代表して挨拶。震災以後に取り組んだ被災地支援活動や内野法主猊下自らが被災地激励に回られたこと、作製中の悲母観世音菩薩像などについて報告。参列者に対する謝辞とともに被災地早期復興と原発事故収束工事の無事円成を祈った。
この日は、法要に先立って法喜堂玄関に安置された荒彫りの悲母観世音菩薩像に鑿入れが行われた。午前9時に内野法主猊下、井上総務、各執事が鑿入れと記帳を行い、受付開始の後に来賓や一般参列者が続いた。鑿入れを行う者は、その一打一打に犠牲者への慰霊の思いと被災地早期復興の祈りを込めた。鑿入れの記帳簿は完成前に像の胎内に納められる。
この悲母観世音菩薩像は、東日本大震災で子を亡くした親や親を亡くした子の悲しみを癒そうと身延山大学(井上瑞雄理事長、浜島典彦学長)が建立計画を立て久遠寺が後援して製作中のもので、明年迎える東日本大震災三回忌法要正当に岩手県陸前高田市妙恩寺(風間文静代務住職)に建立開眼が予定されている。