2012年2月1日号
がんばれ! 東北の子どもたち
自分で考え、泣いて 必死に堪える姿も
東日本大震災で親や兄弟を亡くした子どもたちのための修養道場(主催:全国日蓮宗青年会=伊東政浩会長、協力:NPO日本こども支援協会=岩朝しのぶ理事長)が昨年12月26日から28日まで、東京・大田区の大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)を会場に行われた。岩手県宮古市
などで一般から募集された小学校3年生から中学校3年生までの21人が招待され、朝のお勤めへの参列や建設中の東京スカイツリーなどを見学し、笑顔を見せた。
今回の修養道場は、震災発生後からがれきの撤去などの支援活動を展開してきた全日青が、「被災した子どもたちに笑顔を」との思いで、支援先の被災地で知り合った、児童虐待などの問題に取り組む同協会とともに企画が進められた。
窓口となる自治体探しが難航する中、賛同した宮古市が同市の仮設住宅の他、大船渡市・大槌町・山田町にまで範囲を広げパンフレットを配布。資金も全国各地の青年会の行脚で集められた支援金や宗門からの助成金などが充てられ、池上本門寺からも宿泊と食事の無償提供を受けるなどの協力を得て開催された。岩朝理事長は「子どもたちが地元から離れて楽しい時間を過ごすことと、子どもたちの前では弱音を吐けない里親たちの時間も作ることができる。単に子どもたちだけの息抜きではない」と今回の支援活動の意義を語った。
当日、子どもたちは参加各地区からバスと新幹線を乗り継ぎ、東京に到着。伊東会長や元教員、保育士、看護師、立正福祉会「子どもの心理相談室」(渡部公容室長=東京都長久寺住職)のスタッフらが万全の態勢を整え、子どもたちを出迎えた。夜には自己紹介をスタッフらと共に行い、初めは緊張の面持ちだった子どもたちもだんだんと打ち解けていく様子が見てとれた。また見学先のお台場で行われていた震災募金活動の団体に寄付する子どもの姿も。スタッフの一人は子どもたちを見て「自分で考え、泣いて、悩んで、そして現実を受け止めようと必死に堪えているように感じる」と語った。
最終日に子どもたちは1年後の自分自身に向けて手紙を綴った後、再会を約束し帰郷の途へ。祈りを捧げるため子どもたちの手紙を預かった伊東会長は「再会の約束が少しでも励みになれば」と子どもたちとの別れを惜しんだ。