2012年1月20日号
宗務院で「御用始めの儀」
大震災復興支援に向けて宗門一丸で取り組む
東日本大震災の復興元年とされる平成24年を迎え、東京・大田区の日蓮宗宗務院で「御用始めの儀」が1月10日に行われた。内野日総管長猊下を導師に、渡邊照敏宗務総長をはじめ宗務役員、全国の宗会議員や宗務所長など約350人が参列し、宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」第2期の緊急活動項目である大震災復興支援へ向けて宗門一丸となって取り組むことを仏祖三宝に奉告した。
法味言上後、内野管長猊下は昨年にご自身で歩かれた被災地の惨状を振り返られ、「日蓮聖人は『立正安国論』の中で“汝すべからく一身の安堵を思わば、先ず四表の静謐を祷らんものか”とお示しになられております。私たち一人ひとりが絆を強め異体同心にしてお題目を唱和し、仏国土顕現に邁進していかなければなりません」と述べられた。また宗門運動の目標である心・ひと・社会の3つの育成や、被災者の苦悩を自分自身の苦悩として乗り越えることが共に生き、共に栄える立正安国の顕現だと新年のご挨拶を閉じられた。
続いての賀詞交歓会では、渡邊宗務総長が義援金の総額が5億6千万円に達し、今後も宗門としてできうる限りの復興支援と心のケアを行っていくことを報告。また「復興に向けて日本が変わらなければならないと言われている今年は、宗門にとっても大事な節目の年となりますので、宗門運動第2期の育成活動に力を込めて進んで参ります」と述べ、「ろうそくのように自分の身を削り日本全体を明るくするような宗門にしていきたい」と決意を表した。
恒例の鏡割りは渡邊宗務総長と川久保昌耕宗会議長、石井隆康東京都南部宗務所長の3人により行われ、震災復興への思いを新たにした。