2011年11月20日号
日蓮聖人の御書は日本にとって大事な遺産
御遺文複製展観と中尾教授の講演会
千葉県の大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)で11月3日、日蓮聖人御遺文の複製が展観され、多くの参詣者が拝観した。また同時開催された中尾堯立正大学名誉教授の講演会では、参詣者約50人が熱心に聴講した。
同寺の「聖教殿」には日蓮聖人のご真蹟など日蓮宗の宝物が多数恪護されており、毎年文化の日に、お風入れとご真蹟の確認、あわせて一般公開を行ってきた。しかし一般の拝観について文化庁から宝物管理上の問題を指摘され、協議の結果、中止されることとなり、今年は本院での複製の展観が行われた。
講演会では、中尾教授が複製のご遺文を手にしながら、「日蓮聖人のお書きになった御書は、日蓮宗の教えの根本となるかけがえのないご宝物であると同時に、日本という国を東国の人々がつくっていく過渡期にあった鎌倉時代の重要な史料。御書は日本にとっても大事な遺産なのです」と話し、聖教殿の意味の大きさを説いた。そして御書のひと文字ひと文字にこめられた日蓮聖人の思いや、当時の社会的背景などを臨場感たっぷりに解説し、聴衆を惹きつけた。
その後、中尾教授は参詣者や日蓮宗布教研修所で研鑽を積む青年僧らと共に、法華経寺境内や奥之院(渡辺行俊住職)などを散策。ユーモアあふれるわかりやすい解説に、参詣者らは大満足の1日を過ごした。
また当日は併せて、法華経寺歴代貫首染筆の本尊や書籍などご聖教以外の確認、点検が寺尾英智立正大学教授と木村中一身延山大学専任講師によって行われた。
