2011年3月1日号
日蓮宗加行所成満会
162師 寺族・檀信徒出迎え
日蓮宗に伝わる加持祈祷の相伝を受けるため、昨年11月1日から100日間の苦修錬行が続けられてきた平成22年度日蓮宗加行所が成満を迎え、2月10日、千葉県大本山中山法華経寺(新井日湛貫首=加行所伝主)で加行所成満会が営まれた。色とりどりの成満旗が林立する中、全国各地からのたくさんの寺族・檀信徒が162師の加行僧を出迎えた。
日の出前の午前6時、「瑞門」が開いた。人びとに福徳力を授けるため厳しい修行に耐え抜いた精悍な顔と、ひび割れた痛々しい足をした加行僧が続々と門をくぐると、待ちわびた出迎えの人びとが目当ての加行僧の名前を呼び、涙ぐんだ。
午前8時、新井伝主を導師に成満会が営まれ、全加行僧の壮絶な100日間を証明するしゃがれた大音声のお経が堂内に響いた。
法要中、新井伝主から成満の証明である許証、太田順道伝師から各行代表へ感賞状を授与。また渡邊照敏日蓮宗宗務総長から初行僧に対し日蓮宗修法師の任命や、2月28日から3月2日まで行われる沖縄修法布教団の辞令交付などが行われた。
渡邊宗務総長は挨拶で、本年4月に宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」が第二期育成活動期間に入ることに触れ、「この年にあってこそ、行僧各上人には本宗独自の布教手段である修法により宗門運動に協力いただき、檀信徒のみならず未信徒の方たちへの教化活動、祖願達成の原動力となるものと期待してやまない」と述べた。
新井伝主は「自坊に帰ったらまず身体をいたわり健康管理に努めること。それはすなわち次の行へ向けての準備です」と戒めに愛情を込めた祝辞を贈った。
また太田伝師は、行堂清規を遵守し最後まで力を持続した加行僧を讃え、特に初行僧には今日を新たな出発の日としてさらに精進してほしいと激励。「入行の時に預かった社会的地位、名誉、自由をお返しする」と力強く結ぶと、出迎えの寺族、檀信徒から大きな拍手が起こった。
最後に全堂代表の斉藤芳伸師(北海道妙慶寺住職)が謝辞のなかで「この恩に報ずべく祖願達成の先兵となり、全世界の平和を祈り社会に寄与する」と誓った。