2010年12月10日号
日蓮宗開教布教センター 研修開き布教資料作成
10人が沙弥セミナー経て僧侶に
日蓮宗開教布教センター(NBIC)は、海外布教に日夜奮闘する僧侶のサポートや、布教資料の研究・作成などを目的に開設された。当初は日蓮宗サンノゼ妙覚寺別院内に事務所を構え、その後、日蓮宗ポートランド教会、再びサンノゼ妙覚寺別院へと場所を移し、立教開宗750年記念事業の一環として平成12年現在地を購入し、世界に羽ばたく日蓮宗の支援拠点として始動した。
センターの敷地は約1,200坪。白を基調としたコンクリート造りの建物には、本堂、講義室、図書室、宿泊施設、約40台分の駐車場が完備されている。センター開設によって日蓮宗の存在がより知られるようになり、ヨーロッパや東南アジアにも布教が広がった。白人、黒人、ヒスパニックなど日系以外の信徒や出家志望者が増え、センターでは日本から講師を招いての沙弥セミナー、信徒研修を定期的に開催。沙弥セミナーを経て信行道場を修了した僧侶は現在10人にのぼり、開教師として任地で布教に励んだり、地元で自宅を布教所として開放するなど活動を展開している。ほかにも、外国語の布教資料の出版、ご遺文の翻訳、開教師研修などを積極的に行い、布教伝道の推進を後押ししてきた。
開設20年記念大法要は10月31日、渡邊照敏宗務総長名代の駒野教源宗務院総務局長を導師に営まれた。副導師を理事の北米開教区長金井勝海師、サンノゼ妙覚寺別院松田龍紹師、宗務院国際課長及川玄一師と平井センター所長が務め、式衆にはヨーロッパ、南米、東南アジア、北米各地から13人の開教師、国際布教師などが出仕。日本国内からも多くの関係者が参列し、法要終了後の記念昼食会では駒野総務局長、現代宗教研究所の三原正資所長、国際開教対策委員会の石井英雄師がそれぞれ挨拶した。
平井所長は「開教布教センターが1991年8月3日に産声を上げた時に、20年後にこのような形になるとは想像さえできなかったことでした。これも仏祖三宝をはじめ皆さまのご教導お力添えがあったればこそと深く感謝しております。ご恩に報いるべく、より一層海外布教の興隆のために精進致します」と話している。
開教布教センターでは教区・管区など日本からの各種団体の海外研修も受け入れており、平井所長は積極的に呼びかけを行っている。問い合わせは開教布教センター、または宗務院伝道部国際課へ。