日蓮宗新聞

2010年9月1日号

戦没者追善供養並世界立正平和祈願法要

65回目の終戦記念日を迎えた8月15日、日蓮宗は渡邊照敏宗務総長を導師に「戦没者追善供養並世界立正平和祈願法要」を、東京・千代田区にある千鳥ヶ淵戦没者墓苑で営んだ。この法要は昭和34年に同墓苑が創建されて以来毎年、日蓮宗が行なっている法要で、今年が52回目。この日のために集められた平和を祈る折り鶴40000羽がご宝前に奉納され、法華一乗会の谷垣禎一氏(自民党総裁)をはじめとする参列者約350人が合掌して戦没者への慰霊と平和への祈りを捧げた。

戦没者の遺骨が納められている六角堂内に大曼荼羅ご本尊を奉安し、午前9時に導師、式衆が入堂した。ひときわ目を引くご宝前に奉納された折り鶴は、この日のために全国各地の寺院等から寄せられたり、月例金曜講話などで日蓮宗宗務院を訪れた檀信徒らから贈られたもので、約40000羽が集まった。
今年は、大導師を渡邊照敏日蓮宗宗務総長、副導師を東京4管区宗務所の鈴木良敬所長(東部)、矢嶋泰淳所長(西部)、石井康所長(南部)、望月兼雄所長(北部)が務めた。修法導師は渡邉宝道東京北部修法師会長が務め、式衆に東京4管区の声明師会しょうみょうしかい、修法師しゅほっし会、行脚隊に青年会の各師が出仕。六角堂の中央に安置された陶棺に向かい声明、読経、修法を行い、表白文で戦没者諸精霊に追悼の意を表すとともに、世界平和を祈念した。
参列者全員による焼香では、それぞれが尊い命を犠牲にした戦没者の冥福を祈るとともに、二度と戦争が起こらぬよう祈りを込めて合掌した。
その後、(財)千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会の馬野猛彦理事長が挨拶に立ち、同墓苑創設以来続く日蓮宗の法要に対し謝辞を述べ、遺骨収集事業の現状を報告した。
最後に駒野教源日蓮宗総務局長が挨拶。『立正安国論』で日蓮聖人が示した立正平和の精神を世界に弘ひろめる「立正安国・お題目結縁けちえん運動」を展開中であることを報告。参列者の祈りと願いが亡き人々を安らかにし、今を生き未来に生きる人々の平安となるよう念じた。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑に納められている遺骨は、軍人、軍属のみならず海外で犠牲となった一般邦人も含まれている。いずれも遺族に引き渡すことのできなかったもので、今年も新たに3937柱の遺骨が同墓苑に納められ、安置されている遺骨は総数35万8269柱となった。
法要後には東京4宗務所の僧侶檀信徒約100人が唱題行脚を行った。団扇太鼓を手に墓苑近くの東郷元帥記念公園を出発。管区ごとのコースで戦没者への慰霊と平和を祈るお題目を轟かせた。
日蓮宗が呼びかけ、各方面の協力で約40000羽集まった今年の千羽鶴。その原点は2年前に愛媛県の東予万灯講まんどうこうを中心とする檀信徒が、戦没者慰霊法要にあわせて作った千羽鶴を日蓮宗宗務院に寄託したことにはじまる。
平成19年、東京・池上本門寺のお会式えしきに参加した東予万灯講は、その足で千鳥ヶ淵戦没者墓苑を参拝。戦没者慰霊と平和祈願への思いを新たにした一同は、翌20年、旧盆と重なり戦没者慰霊法要に参列できない自分たちの代理としてその思いを千羽鶴に託した。
平成21年には愛媛県教化センターを通じ県下全体に折り鶴の輪が広がった。また東京4管区がこれに続き、修養道場などで作った千羽鶴を奉納した。
そして今年、日蓮宗伝道部の呼びかけで集まった折り鶴の総数は約40000羽。全国各地から平和への思いを乗せた折り鶴たちが真夏の千鳥ヶ淵に飛来した。

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新年のご挨拶。

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