日蓮宗新聞

2010年4月1日号

沖縄修法布教団 唱題行脚と慰霊修法法要

平成21年度日蓮宗加行所成満会で渡邊照敏宗務総長から辞令を受けた修法師で構成される沖縄修法布教団(佐野前暁団長=日蓮宗加行所伝師)が、佐野伝師以下48人によって結成され、2月28日から3月2日までの3日間、沖縄南部の戦跡や米軍の沖縄本格上陸の足がかりとなった伊江島などを訪れ、唱題行脚と慰霊・修法法要を行った。
◇   ◇
「『慰霊なくして報恩なし』。亡くなったいのちを慰霊し弔うことで、自分がたくさんのいのちの中で生かされていることを実感できます。太古から連綿とつながるいのちに自分を位置づけることができれば、その“有り難さ”に心の底から感謝することができるのです。“いのちに合掌”など、生命尊重のすべてが“慰霊”のキーワードで解けます。僧侶の存在意義は、まさに慰霊にあるといえるでしょう」(松島正英副伝師)。
1日目の最高気温は25度を超えた。

一行は「旧海軍司令部壕」、ひめゆり学徒隊の慰霊碑「ひめゆりの塔」、沖縄で最初に建てられた慰霊碑「魂魄の塔」、学徒動員され特攻を余儀なくされた「鉄血勤皇隊」の慰霊碑「健児の塔」をまわり、それぞれ唱題行脚と慰霊供養を行った。
さらに18万柱以上の身元不明の遺骨を納める沖縄守備軍最後の地・摩文仁の丘の「国立沖縄戦戦没者墓苑」で立正平和祈願祭を厳修、最後に摩文仁の丘頂上にある「黎明の塔」で慰霊供養を行った。
2日目は沖縄戦の激戦地・伊江島へ。フェリーでは特別に許可を得て「洋上散華供養」が営まれ、海で亡くなった人々の菩提が弔われた。ここでまかれた散華は1000枚、那覇市法華経寺(日沢是良住職)の山務員が短冊にお題目を書写したもの。色とりどりに青空に舞い、澄んだ海に消えていった。
一行は伊江島の南、海の見える高台にある慰霊碑「芳魂之塔」に移動し、日蓮宗では初となる伊江島慰霊法要を行った。玉砕戦の当時に思いを馳せ、感極まる団員もあった。
午後は沖縄南部にある特別養護ホーム転生園(八重瀬町・吉田郁子園長)で法楽加持を行った。
その中には、ひめゆり学徒隊で九死に一生を得た大城史子さん(同園理事)の姿も。大城さんは「学徒隊員の名前を見れば、ほとんどの人の顔が思い浮かび、辛いです。生き残った罪悪感が慰霊で和らぎます」と語ってくれた。
最終日の二日、那覇市法華経寺で立正世界平和祈願祭と解団式が行われた。佐野伝師が挨拶に立ち、「沖縄戦の尊い犠牲があって、この国の平和があります。戦後65年、戦争を知る世代は少なくなりましたが、供養の気持ちを忘れないで下さい」と“慰霊”を受け継ぐ重要性を語った。

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