日蓮宗新聞

2009年12月1日号

大本山妙顯寺 全国檀信徒青年会管区代表者会議

「全国檀信徒青年会管区代表者会議」が10月24日から1泊2日の日程で、京都市大本山妙顕寺(南條日慈貫首)を会場に行われた。
この会議は、宗門が目指す「一寺院一檀信徒青年会づくり」を推進するため、管区の檀信徒青年会の代表が一堂に会し、宗門への理解を深めると共に、情報や意見を交換し横の連絡を取り合うことを趣旨に、平成12年から開催されている。
11回目の今回は「日蓮と法華の名宝」展に合わせ、500年前の信徒青年会であった「町衆」に学ぼうと、日蓮聖人から帝都弘通を遺命された日像上人が拠点とした妙顕寺を会場に行われ、34管区から檀信徒64人(うち女性9人)と僧侶4人が参加した。
開会式では齊藤憲一伝道部長と南條貫首が挨拶。全国檀信徒協議会の江守幹男会長は「若者に焦点をしぼり、僧侶と檀信徒が一体となって苗を植えていかなければ」と力強く語った。
次に奥田正叡師(京都市常照寺住職)が「町衆から信徒青年会へ」と題し、京都の町衆がいかに組織を作り社会貢献をしていったのかを語った。
奥田師は、日像上人の弘教活動と、酒屋や大工といった商工業者を源流とする法華町衆の篤い信仰について解説。日像上人は諸宗派から三度の追放を受け、拠点とした妙顕寺もたびたび破壊された。しかし、法華町衆の外護を受けその都度復興。室町期に入ると貨幣経済の発展と共に土倉(酒屋)が勢力をもち、法華信仰は拡大。21本山、末寺130ヵ寺の外護者は柳酒屋・本阿弥・小袖屋などの町衆であった。日蓮諸宗の僧侶や信徒は次第に法華一揆を結成し、延暦寺との対立(天文法難)や織田信長による弾圧(安土法論)など幾多の法難に遭いながらも篤い法華信仰で乗り越えてきた。
奥田師は町衆を「いかなる弾圧にも屈しない、不死鳥のような法華魂のエネルギーを持った集団」と紹介し、そうした背景の中、信徒の中から狩野派や本阿弥家、後藤家など多くの芸術家が近世日本美術の潮流を築いたとし、江戸時代初期の芸術的指導者である本阿弥光悦を取り上げた。
続いて4班に分かれ青年会の活性化に向けディスカッション。他県で呼び合い交流を深めている万灯講、ボランティア活動を行っている青年会、スポーツチームを結成している寺院、県で青年会を立ち上げた管区等、それぞれの活動が紹介される一方で、「若い人が都会に出てしまい跡継ぎがいない。地方は宗派に限らず深刻な事態に直面している」「お上人が忙しくコミュニケーションがとれない」「いつでも相談に行けるような雰囲気をつくってほしい」「組織ありきではなく信仰の部分を大切にしなければ。一緒にお題目をあげましょうという姿勢がほしい」など将来を危惧する声や寺院への要望があがり、問題に真剣に向き合う参加者の姿勢が感じられた。
ディスカッション後、日の沈んだ幻想的な本堂で唱題行が行われ、翌日は京都日蓮聖人門下連合会の藤井照源理事長(京都一部宗務所長)が「日蓮聖人展拝観のための予備知識」と題して講演。「宝物に息づく法華の心を受け止め、自らの心に刻むと共に周りの方に伝えていただくことも大事です」と述べた。閉会後、参加者は京都国立博物館で開催中の「日蓮と法華の名宝」展を拝観した。

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新年のご挨拶。

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