2009年3月1日号
日蓮宗加行所成満会
人々を苦しみから救う祈祷法を授かるため、昨年11月1日から壱百日にわたり苦修錬行を続けてきた平成20年度日蓮宗加行所が成満を迎え、2月10日、千葉県市川市の大本山正中山法華経寺(新井日湛貫首)で加行所成満会が営まれた。境内では未明から出迎えの寺族や檀信徒が色とりどりの成満旗を連ね、100日ぶりに大荒行堂の瑞門をくぐる加行僧の姿を待ちわびた。
空が白みはじめた午前6時、加行僧175師が多くの人で埋め尽くされた瑞門前に姿を現すと、寺族・檀信徒は背を伸ばして住職やお世話になっている僧侶をさがし、「お帰りなさい!」「おつかれさま!」と声をかけていた。
成満会は午前8時、祖師堂で新井日湛伝主を導師に営まれ、苦修錬行の100日を思わせるしわがれながらも気迫のこもった読経が、参列者で埋め尽くされた祖師堂にとどろいだ。
法要中、新井伝主から許証、佐野前暁伝師から感賞状、小松浄慎宗務総長から修法師辞令と修法師師範允許、伝師相承允許、沖縄修法布教団辞令が授与された。
小松宗務総長は挨拶の中で「各聖が法華経寺行堂での加行を通して得られた法力は、必ずや護法伝道の原動力となるものと信じて疑いません。今宗門では、宗門運動『立正安国・お題目結縁運動』を展開しており、今年は『立正安国論』奏進750年という節目を迎えます。この重要な年にあってこそ加行僧各上人には、修法布教の先陣に立ち、檀信徒はもとより未信徒への教化活動へご尽力賜り、祖願皆帰妙法・立正安国・佛国土荘厳達成に向け、広く、そして力強いご活躍をなされますことを切に願うものであります」と激励の言葉を贈った。
新井伝主が労いとお祝いの言葉を述べ、佐野伝師は「壱百日間結界に入り、お釈迦さまと日蓮聖人からすばらしい仏徳を頂戴しました。大変な世の中であるこの時代をどうするか、我々宗教者が答えを出さなければなりません。世の中の流れを変えることが我々の使命です」とし、「行僧一同よくやってくれました。ありがとう。ただ今、皆さんの社会的地位と名誉をお返しします」と力強く宣言。また、全堂代表の竹中智英師(新潟県妙満寺住職)が謝辞を述べた。