2009年1月20日号
身延山久遠寺でお年頭会
近づく五重塔落慶式 心のふるさとに…
内野法主猊下「癒される身延でありたい」
5月に五重塔落慶式を迎える総本山身延山久遠寺(山梨県南巨摩郡、内野日総法主)では1月13日、「御年頭会」が古式豊かに営まれ、僧侶檀信徒約500人が宗祖の御魂に祝賀を申し上げた。
午前10時、祖師堂に内野法主猊下、六老僧の系統をひく六老門跡寺院貫首、小松浄慎宗務総長、内局、式衆が昇堂し年頭会法要が営まれた。
法要後、日蓮聖人が新年に波木井実長公邸に招かれた折、献上された駿馬に乗ったという故事による「曳馬式」が行われた。祖師堂前で装束をまとった二頭の馬が内野法主猊下から人参を頂戴し、五重塔がそびえる境内に蹄の音を響かせた。
身延山大学の講堂で開かれた新年祝賀会では、はじめに小松宗務総長と千葉県本山藻原寺の持田日勇貫首が祝辞。小松宗務総長は「本年『立正安国論』奏進750年を迎える宗門にあって、宗祖日蓮大聖人の御魂が宿る霊地をして、ますますのご隆昌並びにご賛同を賜り、共に、宗門運動の基本目標である“敬いの心で安穏なる社会づくり、人づくり”を全世界に説き示して参りたいと存じます」と述べた。
御盃の儀に続き、内野法主猊下が「妙荘厳王本事品には『佛是の妙荘厳王本事品を説きたまふ時、8万4千人遠塵離苦して、諸法の中に於て法眼浄を得たり』とあります。すべての人が等しく仏になることができることをしっかりと捉えなければなりません。自分ばかりでなく一切の人々が皆仏となるために尽くすことを自分の喜びとする、これが法眼浄です。身延山に参詣する皆さまが遠塵離苦となるよう、そして身延山全体が遠塵離苦のお山であるよう祈るものであります」と述べられ、また、五重塔建立への尽力に深い謝意を表し「総本山としてふさわしい堂塔伽藍がほぼ整備されました。参詣の皆さま方にとって心のふるさととして癒される身延山でありたいと願っております」と結ばれた。
参拝者の名簿が奉呈され、熊王家35代当主の熊王章夫氏がご膳を献上、内野法主猊下からお年玉を賜与された。伊丹栄彰師(京都市本山本満寺貫首)、信徒総代の堀内光雄衆議院議員の祝辞と続き、井上瑞雄総務、小松宗務総長、南部光徹師(実長公の子孫・東京都東郷寺住職)が鏡割りを行い、乾杯となった。
久遠寺では5月13日から5日間盛大に営まれる落慶式を目前に、関連付帯工事の完成に向け大詰めの段階を迎えた。