2007年8月1日号
身延山五重塔 心柱奉曳式
身延山久遠寺(内野日総法主猊下)は身延町身延山観光協会(田中邦久会長)主催で、平成20年の五重塔完成を目指して、塔の中心に据えられる心柱奉曳式を7月17日に行い、地元住民や五重塔を作製している関係者、身延町民等約600人で仲町駐車場から三門まで引き上げた。台風の影響で朝まで降り続いた雨もやみ、身延山が全国からの参拝者も含め約2000人が奉曳式の模様を見守った。
午前10時、道中の無事を祈り参加者と共にお題目を唱えた。続いて、花火の合図と共に若手僧侶たちが掲げる玄題旗、太鼓とお題目の先導で心柱がゆっくり進み出した。
心柱には白布がまかれ、かけ声をかけながら二列になって紅白の綱を曳いて進み、後方からは万灯講が纏を振りながら練り歩いた。
休憩を取りながら、途中で心柱奉迎よさこい踊りが披露され、賑やかなムードに参拝者は目を向けていた。約1時間かけて人でいっぱいになった三門前に到着すると、法華和讃部(熊王久美子会長)を中心に、約120人が太鼓を叩きながら和讃を芳詠し、美しい音色が緑の山々に響きわたった。
身延山久遠寺五重塔奉賛会の小山信正事務局長は「身延山に五重塔が建ったのは今から300年以上も前、元和5年(1619)のことです。皆さんのお力で曳かれた心柱は、樹齢約400年前と推定される身延山の杉の木です。ちょうど五重塔がたった頃に育ち始めた木がこのように大きくなり、平成の世に立つ五重塔の心柱として立つことはこれもご縁です」と挨拶した。
身延町一体となっての五重塔心柱奉曳式は、五重塔完成に向けて人々の熱い思いがこめられたお題目が心柱に深く浸透した。