日蓮宗新聞
2007年3月1日号
日蓮宗加行所成満会
世界の人々への修法布教が私たちの使命
千葉県市川市の大本山中山法華経寺で2月10日、厳冬百日間の苦修錬行を積んでいた加行僧百75人が成満を迎えた。休日ということもあり、修行を終え、福徳力を授かった加行僧を出迎えようと全国から多くの寺族や檀信徒訪れ、境内は歓喜と熱気に包まれた。
午前6時、瑞門が開くと「お疲れさま!」「お帰りなさい」と大きな歓声が湧き起こった。加行僧の行列に合掌し涙ぐむ檀信徒や、無事成満できた喜びを噛みしめる僧侶の姿も見られた。
午前8時から祖師堂で営まれた成満会には多くの檀信徒がつめかけ、加行僧の力強い読経に手を合わせた。許証授与の際には、加行僧の名前が呼ばれると檀信徒からの拍手も聞こえた。
小松浄慎宗務総長は労いの言葉をかけ、「檀信徒のみならず未信徒の教化、さらには立正安国お題目結縁運動にお力添えを頂き、一天四海皆帰妙法の大誓願に向け活躍されますよう」と期待をかけた。
伝主の新井日湛貫首は「唱題読誦に明け暮れた加行所を思い出し、修法道のために尽くして頂きたい」と挨拶。
佐野前暁伝師は行堂清規に則って修行を行い、その中で体いっぱいに福徳力を含んだ行僧に、4月から始まる宗門運動の最前線に立ち、全世界の人々に布教することが私たちの使命と話すと共に、「入行の折に各聖から社会的地位、名誉をすべて預かりました。本日ここでお返しします。ありがとう」と述べ、これから修法道に邁進する行僧を激励。その後、千葉県北部の赤羽浩教宗務所長、全国修法師会連合会の工藤堯幸会長が祝辞を述べた。
最後に加行僧を代表して全堂代表の嶋田教要師が指導し支えてくれた人々に感謝の意を表しその恩に報いるべく「祖願達成の先兵となって祈祷修法もって全世界平和のため社会に寄与し、広宣流布に努めることを誓います」と力強く挨拶した。
法要終了後、大衆法楽加持が行われ、参列の檀信徒は成満を迎えた加行僧の力強い修法に手を合わせ頭を垂れた。
荒行堂の前には成満旗を掲げ行僧を待ちかまえる人で埋めつくされた。許証を手にした行僧が出てくると、家族や檀信徒は笑顔を浮かべ、無事の成満を喜んだ。中には父親の足を触り、「お母さんみて、お父さんかわいそうだよ」と話す女の子の姿や抱きついて離れない子どもなど、微笑ましい光景が溢れていた。